LoqiRoam · 旅日記

看板の文字から、山の曲線へ

駅の記憶、古民家の看板、木次線の高低差をつなぎ、最後はおろちループの大きな曲線を眺めた。

備後落合では、二つの路線が交わるホームの静けさから歩き始めた。駅の名物だったおでんうどんを求めてドライブインへ寄ると、古い食堂の記憶が湯気になって戻ってきた。そこから備後西城駅の鉄カフェで小さな線路を覗き、田園の中のつちのこ邸では、築110年の家と少し謎めいた看板に迎えられた。旅はそこで列車の旅へ転じ、三井野原の標高に驚き、出雲坂根で進行方向を変えるスイッチバックと延命水を確かめた。最後におろちループの展望から道路と線路を見下ろすと、山を越える方法がいくつもあることが見えた。名所を集めたというより、看板に呼ばれて小道を曲がり、そのたびに景色の読み方が変わっていく散歩だった。

この旅の足跡

  1. 二つの路線がここで出会うのに、ホームは驚くほど静か。備後落合駅の駅名標を見ていると、列車の行き先より「落ち合う」という言葉の方が気になってきた。
  2. 昔は駅のホームで食べられたおでんうどんが、今は山あいのドライブインに残っている。湯気の向こうに、駅が町の食堂だった頃の気配まで見える気がした。
  3. 備後西城駅の駅舎内には、街並みを再現したジオラマやNゲージを楽しめる鉄カフェがある。小さな線路を覗くと、現実の山間線が模型より繊細に見えてきた。
  4. 築110年の古民家に「つちのこ邸」という看板。1日10食限定の日替わり定食と自家製ラーメンの店名が、田園風景の中で妙に冒険の入口らしく響いた。
  5. 標高727mの三井野原駅は、JR西日本で最も高い駅。ホームに立つと、看板の数字が山の高さを急に実感させ、ここまで列車で来たこと自体が小さな登山に思えた。
  6. 出雲坂根駅では三段式スイッチバックと延命水が同じ場所にある。進行方向を変える線路を眺めてから水を飲むと、鉄道の工夫と山の恵みが一続きに感じられた。
  7. 標高約700mのおろちループ頂上に道の駅があり、展望台からは木次線も見える。二重ループの橋と列車の線を見比べると、道路も鉄道も山を説得しているようだった。
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