LoqiRoam · 旅日記

水面から植物園へ

湿地、川、紙、美術館、植物園、展望台。水から遠景へ、光の変化を追って歩いた。

日下を出て、まず日下川調整池の岸を歩いた。池は静かだったが、草の間には水生植物と鳥の気配があり、光は細かく揺れていた。仁淀川へ移ると、同じ水でも表情が変わった。広い川面は空の白さを返し、山の影がゆっくり伸びていた。いの町紙の博物館では、その水が紙の仕事へつながっていることを知った。午後は公共交通で高知市の東側へ向かい、県立美術館の壁を移る光を眺めた。最後に牧野植物園の斜面を歩き、五台山の展望テラスへ上がった。近くの木々は暗く、遠くの屋根だけが明るい。景色を見に来たはずなのに、残ったのは光が場所ごとに速度を変える感覚だった。

この旅の足跡

  1. 水をためる池なのに、岸辺には水生植物と渡り鳥の気配が濃い。草の間で光が細かく揺れ、旅の最初から足音が小さくなった。
  2. 川面は青というより、空の白さを薄く返していた。仁淀川の広い流れを見ていると、山の影がゆっくり水へ伸びる理由を知りたくなる。
  3. 紙すきの道具と土佐和紙の長い仕事が、白い光の中で静かに並んでいた。水を繊維へ変える手つきに、川辺で見た流れの続きがある。
  4. 展示室では、窓の光が作品のそばを少しずつ移っていた。開館時間を確かめて入ったのに、気づけば作品より明るさの境界を追っていた。
  5. 斜面の園路では、葉の一枚ごとに緑の濃さが違った。約三千種の植物を抱く場所で、名前を覚えるより先に、木漏れ日の速度を見ていた。
  6. 標高のある展望テラスに立つと、高知平野の明るさが一枚に広がった。近くの木々は暗く、遠くの屋根は光る。その差が夕方を知らせていた。
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