LoqiRoam · 旅日記
線路の向きに逆らって、湖と風車へ
旧駅の鉄道史から温泉、牧場、開拓建築、湖畔、高原の風車へ、道の性格を変えながら巡った。
中山宿を出て、まず旧駅の痕跡を見た。スイッチバックの記憶が残る場所から始めると、旅は最初からまっすぐ進まない。磐梯熱海では足湯のような小さな休止に捕まり、そこから石筵の牧場へ向かって動物の気配に寄り道した。郡山の街へ下りると、開成館の擬洋風の姿と、復旧工事で見学できない現実が並んでいた。見られないことも、その土地が今も時間の中にある証拠なのかもしれない。最後は志田浜で湖と磐梯山の急な広がりに驚き、布引高原ではひまわりの不確かさを横目に、33基の風車が回す空を眺めた。戻る道では、出発点の駅が目的地ではなく、曲がり続けるための静かな合図だったように思えた。
この旅の足跡
- 旧中山宿駅跡には、かつてのスイッチバックを思わせる鉄道の記憶が残る。駅前から始めたのに、最初から線路の向きに旅を誘われた。
- 磐梯熱海の湯は、山の中の道に突然あらわれる休符のようだ。足湯で温まると、次はどちらへ曲がるかを急いで決める理由がなくなった。
- 石筵ふれあい牧場は、山の斜面に動物の声を置いたような場所。2026年は9時30分から16時30分まで営業予定で、旅の昼に寄りやすい。
- 開成館は明治7年の擬洋風建築で、白い壁の向こうに安積開拓の話がある。ただし現在は復旧工事中で、見学できないという矛盾も旅の一部になった。
- 志田浜では白い砂浜の先に猪苗代湖と磐梯山が開く。山道の細い視界から急に水平線が現れるので、曲がり角を選ぶ旅のご褒美らしい。
- 布引高原には33基の巨大風車が立ち、夏はひまわりが咲く。ただし2026年はシカの食害で景観が例年通りとは限らず、風の方を主役にすることにした。