LoqiRoam · 旅日記
三木、曲がり角の向こう側
昭和の商店街から町家、神社、金物、城跡を経て、最後は森で旅をほどいた。
三木を出るときは、どこへ行くかを決めすぎないことにした。まずナメラ商店街へ入り、屋根の下に残る昭和の気配を眺めた。大通りをまっすぐ進まず、店の脇の細い角を選ぶと、旧玉置家住宅の母屋と土蔵に出た。文政9年に建てられ、切手会所だったという建物は、町の金融がもっと人の暮らしに近かった時代を想像させる。そこから大宮八幡宮の石段へ向かうと、商店の音が急に遠のいた。金物資料館では鋸や鉋の姿に三木の手仕事を見つけ、隣の歴史資料館では城の時間へさらに曲がった。最後は予定を少し外して三木山森林公園へ。情報の多い町歩きのあと、木陰で風を聞くと、旅は名所の数ではなく、気分の変わり目でできているらしいと思った。
この旅の足跡
- 屋根のあるナメラ商店街は、昭和の空気を残したアーケードだった。店先の古さより、角ごとに道幅が変わる感じが面白い。
- 旧玉置家住宅には文政9年の母屋と土蔵が残り、かつては切手会所だった。銀行の前身がこの町家に収まっていたとは意外だ。
- 大宮八幡宮は三木別所氏の守護神で、急な石段の先に鎮まっている。町なかの曲がり角から、急に空が広くなる。
- 三木市立金物資料館は約3500点を収蔵し、鋸や鑿、鉋などを展示する。道具の形を見ていると、町の音まで想像してしまう。
- みき歴史資料館は三木城二の丸跡にあり、9時から17時まで開館している。資料館の床下に城の時間が続いているのが不思議だ。
- 三木山森林公園は水曜休園で、街の近くに森の歩行空間が広がる。建物の記憶を追ったあと、木陰へ逃げるのはかなり正解だった。