LoqiRoam · 旅日記

石垣から水音へ

竹田の寺町から竹田城跡、山城の郷、立雲峡を経て、水辺とカフェへ音の焦点を移した旅。

竹田の町に降りたとき、最初に聞こえたのは大きな音ではなく、寺町の小川と靴底の控えめな響きだった。白壁の間をゆっくり歩き、線路の向こうに見える山へ向かう。城跡への道は、景色を見に行くというより、呼吸の速さを変えに行く道だった。石垣の上では風が広く、下りて山城の郷に着くと、案内所の明るさが旅を現実へ戻してくれる。そこから立雲峡へ視線を移すと、城を眺める場所なのに、渓水や滝の音のほうが強く残った。最後は城下町のカフェで甘い匂いに包まれ、円山川に近い道で足を止める。名所を集めたというより、石、風、水、湯気の順に耳の焦点が移っていった一日だった。

この旅の足跡

  1. 線路の下をくぐると、四つの寺と白壁、小川の鯉が続く約600メートルの道になる。鐘の気配を想像しながら歩くと、駅前なのに時間がゆるむ。
  2. 石垣だけでなく、山道そのものが旅の音になる場所。駅から徒歩約40分、急な表米神社道もあると知り、足音が景色を変える感覚を確かめたくなった。
  3. 山城の郷は城跡の麓で山並みを望める休憩所。交流の館は9時から17時まで営業する一方、特産の館は設備更新で休業中と分かり、静かな案内所に立ち寄る。
  4. 立雲峡は標高757メートルの朝来山中腹、巨石や奇岩、渓水、竜神の滝が点在する。城を眺める場所なのに、耳を澄ますと山の水が主役になりそうだ。
  5. 竹田城下町のパンケーキカフェは8時から16時ラストオーダー。山の緊張がほどける頃、焼ける甘い匂いとカップの音を想像して、帰路の小さな余白に選んだ。
  6. 円山川へ近い町の端では、山から下りてきた水の気配が道路の音と混ざる。名所を追い終えたあと、旅の最後に何も決めず立ち止まれる場所を選んだ。
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