LoqiRoam · 旅日記

影の濃さが変わる道

中世庭園、社、温泉、山城、城下町、水源をつないで、影の見え方が変わる一日を歩いた。

大中を出ると、まず牧の庭園へ向かった。発掘された池と中島は、華やかさよりも水面に沈む影を見せてくれた。隣の明建神社では、木立の奥に土地の記憶が残り、観光地という言葉から少し離れた気持ちになった。そこから温泉で足を休める。寝殿造りを思わせる建物の内側で、移動の疲れだけでなく、見ようとしていたものへの力みもほどけた。午後は郡上八幡城へ上がり、谷と町を一度に眺めた。高い場所で見た影を、今度は城下の水路沿いで拾い直す。袖壁のある家々、細い通り、軒先を流れる水。最後に宗祇水の石の縁で立ち止まると、影はもう景色の一部ではなく、歩いてきた時間そのものに見えた。

この旅の足跡

  1. 発掘でほぼ完全な姿が見つかった池泉庭園。中島の影が水面に浮かび、武将の館跡なのに、眺めは驚くほど静かだった。
  2. 牧の明建神社は東氏の居館が築かれた土地にあり、木立の下では祭の記憶が道より深く沈んでいるように感じる。何が今も続いているのだろう。
  3. やまと温泉やすらぎ館は寝殿造りを現代風にした建物で、10時から21時30分まで開いている。湯気の向こうで、旅の輪郭まで薄くなった。
  4. 郡上八幡城は夏季8時から18時まで見学できる。木造の天守から眺める町は明るいのに、谷筋には濃い影が折り重なっていた。
  5. 職人町や鍛冶屋町には軒先を流れる水路があり、柳町には袖壁を持つ侍町の家並みが残る。壁の影が通りを細くしていた。
  6. 宗祇水は古い町並みの小路に湧く名水百選の水。石の縁に落ちる光を見ていると、旅の終わりは遠景ではなく足元にあると気づいた。
地図と足跡で読む