LoqiRoam · 旅日記

木と水と大きな鼻

鞍馬の古木と山道、大天狗のユーモア、貴船の水音をつなぐ小さな発見の旅。

山門駅を出ると、最初に迎えてくれたのは由岐神社の大杉だった。約800年という数字を見ても実感しきれないのに、幹の前に立つと、火祭を見守ってきた時間が少しだけ近づいてくる。鞍馬寺へは山道を上り、寺へ向かうというより、道そのものに歩かされる感じがした。本殿の静けさを味わったあと駅前へ戻ると、今度は高さ約4メートルの大天狗。さっきまでの荘厳さを、長い鼻がふっと笑いに変えてくれた。温泉で足を休め、貴船へ移動すると、景色の主役は木から水へ交代した。水占みくじの紙に浮かぶ文字を眺め、最後は川床で川音を聞きながらひと息。今日集めたのは、古い木、巨大な鼻、冷たい水の三つ。どれも大げさではないのに、帰り道まで鮮明に残った。

この旅の足跡

  1. 由岐神社の割拝殿は中央を通路にした珍しい桃山建築で、御神木の大杉は樹齢約800年。火祭の社なのに、境内には静かな木の時間が流れていた。
  2. 鞍馬寺の本殿金堂へ向かう道は、ケーブルなら短くても徒歩なら山の勾配が旅になる。本殿開扉は9時から16時15分で、参拝時間を意識して歩きたい。
  3. 鞍馬駅前の大天狗は高さ約4メートル、鼻の長さ約2.3メートル。山の神秘を歩いてきた直後に見ると、巨大な鼻が少し可笑しく、旅の空気が軽くなった。
  4. くらま温泉は山麓の自然湧出の硫黄温泉で、日帰り入浴は10時から21時。露天風呂から緑を眺めると、歩いた距離がようやく身体の感覚になる。
  5. 貴船神社は水の神を祀り、本宮では御神水に浸して文字を浮かべる水占みくじができる。山を越えて水へ着くと、旅の景色が一段涼しくなった。
  6. 貴船ふじやの川床は貴船神社の真正面で、貴船川の水面が手を伸ばせそうな距離にある。川床は5月1日から9月30日まで、雨天時は室内になる。
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