LoqiRoam · 旅日記
黒、緑、食の色、水面
北山から社寺、並木、市場、ずんだ餅、広瀬川へ進み、仙台の色の変化を歩いて集める旅。
北山を出たときは駅前の小さな色を探すつもりだった。歩くうちに大崎八幡宮の黒と金が木立の奥に現れ、街の近さを忘れるほど空気が変わった。定禅寺通ではケヤキ並木と彫刻で景色が一気に開き、仙台朝市では魚や野菜、惣菜の色と声を浴びた。村上屋餅店の淡いずんだ色でひと休みして、最後に広瀬川へ下る。建物の色は水面の銀色にほどけ、駅前から始めた旅が、歴史、都市、食、自然の光を順に集める旅になった。気づけば、最初より街全体が明るく見えていた。
この旅の足跡
- 大崎八幡宮の黒と金の社殿は木立の奥で急に現れ、街中なのに空気が一段暗くなる。石段を上ると、建物だけでなく光の濃淡も拾える場所だと気づいた。
- 定禅寺通のケヤキは車道と歩道を分け、緑が街の灰色を明るくしていた。木陰から彫刻がちらりと見え、ただの大通りではないことに少し得をした気分になる。
- 仙台朝市は細い通路に魚、野菜、惣菜の色がぎゅっと並び、声と匂いまで立体的だった。朝市という名前でも人の流れが残り、食べものは景色の一部だと実感した。
- 村上屋餅店のずんだは淡い緑が餅の白にのる二色の景色だった。甘さを口にすると歩く速さまでゆるみ、名所の間に休憩を置く大切さがわかった。
- 広瀬川の河原では建物が少し遠くなり、水面の銀色と草の緑が主役になっていた。集めた朱やずんだ色が静かな背景に溶け、終わりにちょうどいい余白ができた。