LoqiRoam · 旅日記
黒い瓦から深い緑まで
川棚温泉駅から瓦そば、寺、温泉、青龍湖、クスの森をめぐり、駅前の生活色を自然と歴史の色へ広げた旅。
黒井村を出るときは、まだ駅前の看板や道路の色だけを集めるつもりだった。けれど山陰本線で川棚温泉駅へ向かい、茶房でひと息つくと、駅の静けさそのものが旅の色になった。温泉街では黒い瓦の上で茶そばがぱちぱち鳴り、食べものが景色になる面白さに出会った。妙青寺では「心」の形の池を眺め、町の音が遠のく。湯に浸かってから青龍湖へ移ると、水面と山と響灘の島が一枚の大きな絵のように広がった。終着のクスの森では、一本の木が森に見えることに驚いた。駅前の色を探していたのに、最後は時間の色を拾っていた。
この旅の足跡
- 川棚温泉駅のそばに、茶房季更木があり、11時から18時まで営業していると知った。駅前の小さな店なのに、旅の最初に休める色があるのがうれしい。
- 瓦そばは日本瓦を使い、香ばしく焼いた茶そばを楽しむ料理。黒い瓦に緑の麺、薬味の色まで一皿にそろっていて、駅前の色集めが急にお昼になった。
- 妙青寺の本堂裏には、雪舟作と伝わる「心」の形の池がある。山門の落ち着いた色から池の緑へ視線がほどけ、句碑も見つけて少し立ち止まった。
- ぴーすふる青竜泉は川棚温泉湯町5159-2にあり、休館日は偶数月の第一木曜日。営業状況を確かめてから、湯の白さを旅の色帳に加えたい。
- 青龍湖は舟郡ダムの湖で、周回道路の高台から川棚平野や響灘の島々を見渡せる。水の青、山の緑、遠い海の白が一度に現れて、町の外へ来たと実感した。
- 川棚のクスの森は一本のクスノキなのに、枝が四方へ広がって森のように見える。古い幹の茶色と葉の深緑を見て、最後にこんな大きな色が待っていたのかと驚いた。