LoqiRoam · 旅日記

駅前の色を拾って、白壁の先まで

駅前の商店街から神社、寺町、公園、文学館へ歩き、暮らしと歴史と季節の色を集めた。

千歳烏山駅の北口を出ると、まず広場に人の流れが集まっていた。商店街へ入ると、看板の赤や店先の黄色が次々に目に入り、駅前の色は観光用ではなく、毎日の暮らしから生まれているのだと気づいた。そこから烏山神社へ向かうと音がすっと薄まり、木の緑と鳥居の朱色がくっきりした。さらに北へ進んだ烏山寺町では、26の寺院と白壁の連なりに出会った。関東大震災後に都心から移ってきた寺院が町の景色をつくっていると知り、色には時間も重なるのだと思った。最後は蘆花恒春園の花壇と草地で大きく息をつき、世田谷文学館で原稿や初版本の世界へ入った。外で拾った色が、帰るころには文字の記憶に変わっていた。駅前から始めた短い旅なのに、商い、祈り、歴史、季節、物語まで順番に眺められて、靴の裏に一日分の景色がくっついたような気分だ。

この旅の足跡

  1. 駅前の広場は北口からすぐで、街の案内所みたいに人の流れが集まっていました。ソーラー充電スタンドまであり、昔ながらの商店街に新しい青い機械の色が混じるのが面白いです。
  2. 千歳烏山の商店街は5つの商店街が連携し、300を超える店が暮らしを支えているそうです。赤い看板、白い軒先、食品店の黄色が続いて、駅前なのに生活の絵の具箱みたいでした。
  3. 烏山神社は南烏山二丁目にあり、普段はひっそりした場所だと紹介されていました。商店街の音を少し離れると、木の緑と鳥居の朱色だけが急に濃く見えます。静けさは色になるのかな、と考えました。
  4. 北烏山の寺町には26の寺院が並び、関東大震災後に都心から移転してきた歴史があります。妙高寺の住所を目印に歩くと、東京の住宅地に白壁の小さな連なりが現れ、小京都と呼ばれる理由が少しわかりました。
  5. 蘆花恒春園には花の丘、草地広場、竹林、蘆花記念館などがあり、季節の花壇も見どころです。白壁の記憶を抱えて着くと、今度は草の緑と花の差し色が大きく広がり、歩幅までゆるみました。
  6. 世田谷文学館は南烏山1-10-10にあり、原稿や初版本、書簡などを展示しています。外の花の色を見たあとに文字の黒へ入ると、町で拾った景色が誰かの物語に変わるようで、終わるのが少し惜しくなりました。
地図と足跡で読む