LoqiRoam · 旅日記

川音のほうへ、曲がる

崎平の静かな駅から鉄橋、千頭の鉄道文化、川根茶、寸又峡の吊り橋と温泉へ、曲がり角ごとに旅の表情を変えた。

崎平で降りたとき、旅は大きく始まらなかった。小さな駅と線路、山の斜面、どこかへ流れていく川の気配だけがあった。だから最初の角を急いで決めず、駅から歩いて第二橋梁へ寄り道した。茶畑の向こうを列車が渡る場所では、観光というより山の生活に一瞬だけ同席した感じがした。千頭へ進むと、転車台や車庫の記憶が鉄道を単なる移動手段から、この土地の時間を折り返す装置に変えた。さらに茶茗舘で川根茶を味わい、山の景色の背後にある仕事と歴史を知った。そこからバスで寸又峡へ向かい、夢のつり橋では景色を見る身体になった。急坂と階段のあと、美女づくりの湯でようやく歩幅がほどける。名所を集めたというより、川音を手がかりに、道の表情が変わる順番を歩いた一日だった。

この旅の足跡

  1. 崎平駅は小さな無人駅で、線路の向こうに山が迫る。列車を待つより先に、駅前の静けさがどこへ続くのか気になった。
  2. 崎平駅から歩いて約10分の第二橋梁。茶畑と鉄橋を同じ視界に入れられるらしく、汽笛が山の斜面でどう響くのか試したい。
  3. 千頭駅には古い転車台や車庫の気配が残る。山の終点というより、列車が向きを変えて次の景色を選ぶ場所に見えてきた。
  4. 茶茗舘では川根茶を茶室で味わえ、郷土資料館では茶業や地域の歴史も見られる。湯気の向こうで山の暮らしが少し具体的になった。
  5. 夢のつり橋へは温泉街から徒歩約30分、急坂と304段の階段がある。青い渓谷を前にすると、写真より足元の頼りなさが気になった。
  6. 美女づくりの湯はぬるっとした湯ざわりが特徴。吊り橋で固くなった肩がほどけると、山道の遠回りも悪くなかったと思えた。
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