LoqiRoam · 旅日記

空を見上げて、最後は土に戻る

那加の信仰から公園、川、航空技術、縄文の住まいへ。町の時間を軽やかに往復した。

那加を出ると、まず手力雄神社の山際で足がゆっくりになった。信長ゆかりと伝わる桜や本殿裏の古墳を知ると、駅から近い町にも見えない層が重なっている。そこから学びの森へ向かうと、空気がふっと明るくなった。芝生と木陰の間を歩き、市民公園の歴史民俗資料館で、暮らしの道具や地域の記録に目を留める。新境川では、百十郎桜の由来を思いながら川沿いの緑を眺めた。午後はバスで空宙博へ。大きな機体の下で、平らな町が空への挑戦を支えてきたことに驚く。終着の炉畑遺跡公園では、復元された縄文の住まいが待っていた。空へ伸びた一日が、最後は土の匂いのする時間へ戻ってくる。その落差こそ、今日いちばんの発見だった。

この旅の足跡

  1. 鳥居の奥に、信長ゆかりと伝わる「弓掛桜」「的場桜」が残る手力雄神社。勝運の社なのに、山際の古墳まで抱えているのが意外で、境内の静けさに耳を澄ました。
  2. 学びの森は、芝生と大きな木々の間に本を開くような余白がある公園。暑い季節でも木陰の輪郭がはっきりしていて、街の中にこんなに呼吸できる場所があるのかと驚いた。
  3. 市民公園内の歴史民俗資料館には、各務原の歴史・地理・自然・民俗をたどる資料が集まる。外の緑を見たあとに入ると、何気ない道具まで町の記憶に見えてくるのが面白い。
  4. 新境川の百十郎桜は、歌舞伎役者の市川百十郎が苗木を寄贈したことから名づけられた桜並木。花の季節ではなくても、川に沿って続く緑の長さが町の骨格のように感じられた。
  5. 空宙博では、各務原の空で航空宇宙技術者が何に挑戦し何を残したかを見られる。大きな機体を前にすると、平らな町の上空にも長い挑戦の歴史が浮かんでくる。
  6. 炉畑遺跡公園には、約5000年前の縄文中期集落をもとに竪穴住居や掘立柱建物が復元されている。飛行機を見たあとに土の住まいへ着くと、旅の時間軸が急に深くなった。
地図と足跡で読む