LoqiRoam · 旅日記

川沿いの看板、田園の余白へ

郷土資料館、神社、寺、温泉、田園の道、史跡をつないだ一志の散歩。

川合高岡に着いたとき、まず目に入ったのは駅そのものより、線路の向こうへ続く生活の道だった。近いからという理由だけで歩き始めず、最初に郷土資料館へ寄って、一志の養蚕や農具、日々の道具を見た。町の見え方が少し変わり、波多神社では住宅と田畑の間に残る静けさを探し、青巌寺では徳川家の葵紋が刻まれた水槽という意外な細部に足を止めた。寺社が続いて少し身体が重くなったところで、とことめの里の温泉へ転換。湯上がりには、観光地を歩くというより、人の暮らしの脇をそっと通る感覚になった。最後は公共交通で大仰へ移り、誕生寺の産湯の井戸を訪ねた。駅から始まった散歩は、看板の文字を読む旅から、土地が何を覚えているかを感じる旅へ変わっていた。

この旅の足跡

  1. 農業倉庫を改修した無料の郷土資料館には、養蚕や製糸、農具と生活用具が並ぶ。駅から近いのに、看板の先で町の時間が急に厚くなった。
  2. 八太の波多神社は駅から近いのに、住宅と田畑の間で空気がすっと変わる。古い地名を抱えた社らしく、道の曲がり方まで気になった。
  3. 高野の集落にある青巌寺は、尾張徳川家ゆかりの本堂と、寺伝に残る仏涅槃図が特徴。派手さより、雨どいの葵紋を探す散歩になりそうだ。
  4. 一志温泉やすらぎの湯は、とことめの里の中にあり、露天風呂や多彩な浴槽を備える。20分歩いた先で湯に入れる構成が、田園散歩に妙に実用的だ。
  5. 波瀬川へ向かう県道沿いでは、寺社の案内と田畑の景色が交互に現れる。温泉の余韻で歩くと、観光地というより暮らしの道に見えてくる。
  6. 誕生寺には真盛上人の産湯の井戸があり、境内一帯が県史跡に指定されている。最後に訪れると、今日見た看板や小道が一人の生の記憶へ収束する。
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