LoqiRoam · 旅日記

川と麺と、海を見下ろす坂

佳景山から石巻の川・文化・食・記憶をたどり、最後に高台から三つの発見を重ねた。

佳景山から始めた旅は、駅前の静けさを入口にして、少しずつ石巻の水辺へ向かった。最初の発見は、田畑と低い山の向こうに川の気配があること。そこから中瀬の石ノ森萬画館へ移ると、漫画の展示を見に来たはずが、建物と旧北上川の組み合わせそのものに目を奪われた。橋を渡る風で川湊の町を想像し、昼には二度蒸しの石巻焼きそばで、土地の味をひとつ覚えた。午後は門脇地区で歩みをゆるめ、整えられた景色の奥に残る記憶に触れた。最後の日和山公園では、川と市街地と海が同じ視界に入り、今日拾った三つの発見が別々ではなかったとわかった。遠くへ急がなくても、道の途中で旅はちゃんと深くなる。

この旅の足跡

  1. 佳景山から始めると、駅前の静けさの向こうに田畑と低い山が広がっていた。地図では穏やかな場所なのに、ここから川湊の町へ気分を変えられるのが面白い。
  2. 中瀬の石ノ森萬画館は、原画や作品世界の展示だけでなく、旧北上川の中州に立つ建物の姿も印象的だった。漫画を見に来たのに、川との組み合わせに先に驚いた。
  3. 旧北上川沿いでは、石巻が川湊として育ったことを風と水面から想像できる。橋の上は思ったより風が強く、観光案内より先に、水の近さと町の近さが体に伝わった。
  4. 石巻焼きそばは、せいろで二度蒸しした茶色い麺を使い、魚介だしで蒸し焼きにするのが特徴。見た目よりも、だしの気配が後から残る一皿で、知らない町の昼にぴったりだった。
  5. 門脇地区では、新しく整えられた公園の景色と震災遺構の存在が隣り合っていた。歩いていると自然に速度が落ち、きれいな眺めだけでは終わらない場所だと感じた。
  6. 日和山公園へ上がると、旧北上川の河口、市街地、太平洋が一度に視界へ入った。坂道で少し息が切れたぶん、川・食・記憶の三つが一枚の景色に重なる瞬間がうれしかった。
地図と足跡で読む