LoqiRoam · 旅日記
水面の明るさを渡る
兵庫運河の朝から寺の影、突堤の海、六甲アイランドの彫刻と美術館を経て、マリンパークの薄明へ歩いた。
洲先を出て、最初から遠くへ行くつもりはなかった。けれど、検索で見つけた兵庫運河の遊歩道に入ると、工場の壁と水面の間だけ朝が早く来ていた。運河を離れて能福寺へ寄ると、兵庫大仏の大きさより、境内の影が港の音を薄めることに気づいた。そこから新港第1突堤へ移ると、海は三方向に開き、閉じた境内の時間が一度ほどけた。午後は公共交通で六甲アイランドへ渡った。約40点の野外彫刻を、作品としてではなく、日向と日陰の境目として見ながら歩く。小磯記念美術館では窓の光が絵の色をゆっくり変え、外の暑さから短く離れた。最後にマリンパークへ戻ると、建物の色が水面に薄く残っていた。歩いたのは場所の列ではなく、光の居場所が変わる一日だった。
この旅の足跡
- 兵庫運河沿いにはキャナルプロムナードが整備され、明治に掘られた水路を歩ける。工場の壁の反射が思ったより鮮明で、港へ続く道の静けさに驚いた。
- 能福寺には兵庫大仏だけでなく、古い碑や慰霊碑も残る。大きな仏像の影が境内の明るさを変え、港の賑わいから一歩で時間が沈む感じがした。
- 新港第1突堤の先端は海が三方向に広がる展望緑地。雲の切れ間だけ水面が白くなり、同じ港でも立つ場所で光の量が変わることを確かめた。
- 六甲アイランドには約40点の野外彫刻が点在する。建物の間の作品は日陰では重く、日向では輪郭だけ軽くなり、街全体が小さな展示室に見えた。
- 小磯記念美術館は10時から17時まで開館し、六甲アイランド公園の緑の中にある。窓辺の光が絵の色を急がせず、外の白さから静かに離れられた。
- マリンパークは六甲アイランドを囲む港湾緑地で、散歩やランニングに日常的に使われている。夕方の水面に建物の色が薄く映り、帰る方向を少し迷った。