LoqiRoam · 旅日記
池袋から、三つの小さな発見
池袋から雑司が谷、目白、南長崎へ移動し、広場の文化、古い信仰、住宅街に残る創作の記憶を集めた。
池袋西口公園の噴水と野外劇場を眺めていると、駅前のにぎわいにも立ち止まるための余白があると気づいた。そこから雑司が谷へ向かうと、道の幅も音の粒も変わる。鬼子母神堂では時代の異なる建築が重なり、参道の先では赤い鳥居が路地の奥へ視線を誘った。徒歩の途中に都電を挟んだことで、街を地面から見る時間と車窓から見る時間が切り替わった。目白庭園では池と滝の音に歩幅を預け、最後は南長崎のマンガミュージアムへ。住宅街に創作の記憶が残っていることが、今日いちばん静かに驚かせてくれた。大きな名所を制覇した旅ではない。それでも、広場、古い信仰、創作の記憶という三つの発見が、帰り道の東京を少し違って見せてくれた。
この旅の足跡
- 噴水と照明が広場の印象を変え、野外劇場とカフェまで抱えている。駅前なのに、立ち止まる理由がちゃんとあるのが少し意外だった。
- 寛文期の本殿と元禄期の拝殿が一つの境内に残り、角のない字の鬼が迎えてくれる。古いのに、参道の空気は親しげだ。
- 鬼子母神前から都電荒川線に乗れる。住宅のすぐ裏を電車がすべるように進む区間があり、徒歩の旅に短い車窓が混ざるのが面白い。
- 威光稲荷は赤い鳥居が迷路のように連なり、雑司が谷の路地の多さとも響き合う。大通りの近くなのに、奥へ入るほど音が薄くなる。
- 中央の大きな池、滝、六角浮見堂、数寄屋造りの赤鳥庵が小さな庭に収まっている。水面を一周すると、街の音だけが遠くなった。
- 南長崎にあった二階建てアパートの記憶を、マンガミュージアムが展示と建物の再現で受け渡している。創作の原点が住宅街にあるのが新鮮だった。