LoqiRoam · 旅日記

駅前の色から、水辺の銀へ

駅前の看板から商店街、明治建築、商家、瓦、水路、山の緑へ、近江八幡の色と時間を歩いて集めた。

近江八幡駅を出たときは、店先の赤や青を拾うだけのつもりだった。けれど、あきんど道のレトロな看板と新しい暖簾を見ているうちに、色には町の時間も混ざると気づいた。白雲館では明治の学校が今も案内所として働き、新町通りでは白壁と木格子が静かな陰影をつくっていた。かわらミュージアムで八幡瓦のことを知ると、屋根の黒が急に土地の仕事の色に見えた。八幡堀へ出ると、その黒が水面に揺れ、石垣の灰色や草の緑と重なった。最後に日牟禮八幡宮と八幡山のふもとで振り返ると、駅前の明るい色まで遠い景色の一部になっていた。歩くほど、町は一色ずつ広がっていった。

この旅の足跡

  1. 駅を出ると、北口の案内や店先に赤、青、黄色が小さく散っていた。大きな観光看板より、通勤の人が通る道の色のほうが町の今日を教えてくれる気がする。
  2. あきんど道は、レトロな商店街なのに老舗と新しい店が同じ通りにいる。色あせた看板の隣で新しい暖簾が揺れていて、商いの時間が一列に並んでいるようだった。
  3. 白雲館は明治10年の学校として建てられ、いまは案内所とギャラリーになっている。白い外壁を見ていると、町の入口には建物の記憶も掲げられているのだと思った。
  4. 新町通りでは、白壁、木格子、黒い瓦が派手さのないまとまりを作っていた。色を足さずに美しく見せる工夫が、道の曲がり角ごとに少しずつ違っている。
  5. かわらミュージアムは八幡堀に面し、白壁と瓦の白黒が水面にも映る。屋根の一部と思っていた瓦が、ここでは土地の産業と美術の両方に見えてきた。
  6. 八幡堀は約4.7キロの人工水路で、白壁の蔵や木造住宅が岸に続く。石垣の灰色に草の緑が入り、水面がそれを少し揺らしていた。
  7. 日牟禮八幡宮の境内と八幡山の緑に入ると、さっきまでの町家の黒瓦が遠くに小さく見えた。駅前の色集めが、最後は空と木の色まで広がった。
地図と足跡で読む