LoqiRoam · 旅日記
海の匂いから土の色へ
日生の港と暮らしをたどり、湾を見渡す高台を経て、伊部の備前焼へ向かった。
寒河を出て、まず日生の海側へ向かった。駅前で自転車の案内を見つけ、町を少し広く歩ける準備ができたことで、旅の肩の力が抜けた。五味の市では魚介の集まる港の勢いを感じ、牡蠣の季節が町の時間を左右していることにも気づいた。そこから加子浦歴史文化館へ移ると、海は眺める景色ではなく、漁業と暮らしを支えてきた仕事場として見えてきた。次に茶臼山公園へ上がり、片上湾の入り組んだ輪郭を眺めた。近くで見た港が、遠くからは島と陸の細い関係として浮かび上がる。最後は伊部へ移動した。登り窯の形をした会館を入口に、窯元の町を歩き、小西陶古で赤松の焼成と桟切の景色を知った。海の匂いから土の色へ、町の表情が静かに変わる一日だった。
この旅の足跡
- 日生駅の近くでレンタサイクルを借りられる案内所を見つけた。海辺を広げる入口なのに、返却は伊部でもよいらしいのが面白い。
- 五味の市では、日生の漁港らしい魚介の気配を間近に感じられる。牡蠣の季節情報も確認できたが、売り切れの早さが少し気になる。
- 加子浦歴史文化館には、漁業や暮らしの資料と写真が並ぶ。海がきれいなだけでなく、昔から働く場所だったことが急に近く感じられた。
- 茶臼山公園は海抜78.7メートルの高台で、片上湾を見渡せる。桜の名所なのに、今は湾の入り組み方のほうが強く目に残った。
- 伊部駅を含む備前焼伝統産業会館は、建物全体が登り窯のように見える。駅に着いた瞬間から焼きものの町が始まる構成に驚いた。
- 小西陶古では、赤松を使う伝統の焼成と、桟切の景色を受け継いでいる。器の模様が偶然ではなく窯の時間から生まれると知り、見方が変わった。