LoqiRoam · 旅日記
白壁の町で、三つだけ拾う
白壁土蔵群から梨のクラフトビール、打吹山の森、博物館、旧円形校舎まで。歴史の町にある現在の味と遊びを拾った。
倉吉駅からバスに乗ると、駅前の広がりがほどよく後ろへ流れ、白壁土蔵群に着いた。玉川沿いでは白い漆喰、黒い焼き杉、赤い瓦が水面の近くで重なり、古い町並みが展示物ではなく生活の道として続いていた。赤瓦一号館の梁を見上げたあと、東仲町の醸造所で梨ブリューを見つける。歴史の町に、梨の香りをまとった現在の味がある。その意外さを抱えたまま打吹公園へ歩くと、景色は建物から森へ転換した。倉吉博物館では、さっき見た町の姿が美術や民俗資料の中で別の輪郭を持ち始める。最後に旧円形校舎の劇場へ向かい、保存された建物がフィギュアと遊びの場になる様子に出会った。今日の収穫は、白壁の三色、梨の一杯、そして古い形を楽しみ直す発想。小さな発見は、町を軽くするのではなく、歩いた距離ぶん深くしてくれた。
この旅の足跡
- 玉川沿いの白壁土蔵群は、白い漆喰と黒い焼き杉、赤い石州瓦の三色がきれい。川面まで見ていると、古い町が背景ではなく現役の通りに見えてきた。
- 大正時代の醤油仕込み蔵を改装した赤瓦一号館は、梁と束柱が格子状に重なる五重構造。買い物の建物なのに、天井を見上げる時間がいちばん長くなった。
- 東仲町の小さな醸造所で、倉吉の王秋梨を使った梨ブリューを見つけた。果汁の甘い香りとビールの苦みが並び、町並みの中に今の味が息づいているのが面白い。
- 打吹公園は打吹山のふもとに広がり、森林浴の森や桜の名所として知られる。坂道に入ると白壁の反射が消え、鳥の声と湿った緑が急に近くなった。
- 打吹公園の東端にある倉吉博物館では、郷土ゆかりの美術と歴史民俗資料が隣り合う。町で見た白壁を、今度は人の手仕事や暮らしの記憶として読み直せた。
- 旧円形校舎を使った円形劇場くらよしフィギュアミュージアムは、同じ形の教室が展示空間になる。最後にここへ来ると、倉吉の古さが保存だけでなく遊びにも変わると気づいた。