LoqiRoam · 旅日記

曲がり角は、山のほうを向いていた

清里の開拓の記憶から牧草地、森の滝、果実の店、木立の横道を経て、雲に揺れる高原の展望へ向かった。

清里駅を出たとき、旅はもっと平らに始まると思っていた。けれど駅前から少し外れると、開拓の時間をしまった場所があり、明るい観光地の裏側に別の清里が見えた。そこから清泉寮の牧草地へ出ると、道の細さが一気にほどける。山を眺めながら歩いたあと、森へ向かう道では吐竜の滝の水音が先に現れ、曲がり角を選んだつもりが音に選ばれたようだった。冷えた耳を果実のジャムと焼き菓子で温め、萌木の村では店より木立の間の横道を眺めた。最後に清里テラスへ上がると、景色は雲に隠れたり現れたりした。全部見える展望より、見えないものが残る展望のほうが、今日の旅には似合っていた。

この旅の足跡

  1. 清里歴史民俗資料館では、開拓の記憶を伝える展示を静かに見られる。駅前の明るさより、この土地の始まりのほうが近く感じられた。
  2. 清泉寮の牧草地は、八ヶ岳や富士山を望む広い場所だった。名物のソフトクリームを手にしても、列より風に揺れる草のほうが気になった。
  3. 吐竜の滝は、森の中で水が何段にもほどけて落ちていた。水音が先に届くので、曲がり角を選ぶ旅には少しずるいほど相性がいい。
  4. 清里ジャムでは、高原の果実を使ったジャムや焼き菓子を扱っている。甘さを探しに来たのに、瓶ごとの季節の違いに目が止まった。
  5. 萌木の村は、木立の中に店や工房、博物館が点在している。一本道なのに横道が何度も現れ、目的地を決めすぎない午後にちょうどよかった。
  6. 清里テラスは、パノラマリフトで上がる山頂エリアにある。雲や天候で景色が途切れることもあり、全部見える展望より想像の余地が残った。
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