LoqiRoam · 旅日記
耳で曲がる立川
水辺から屋外アート、絵画、土地の記憶、庭の水、漫画のページへ、立川の音の層を歩いて重ねた。
立川北を出たとき、駅前の音は人の流れも車の気配もひとつの厚い膜になっていた。まず緑の中へ入り、水鳥の池のある公園で、その膜が木の葉のざわめきに薄まるのを待った。そこからファーレ立川へ戻ると、車止めや換気口まで作品になっていて、歩くこと自体が小さな鑑賞に変わった。たましん美術館では視線を室内に落とし、さらに歴史民俗資料館で獅子頭や太鼓胴を見た。音を出す道具が、いまは静かに土地の時間を抱えている。その後、庭の井戸や池へ出ると、記憶は展示ケースの外にも続いていた。最後はまんがぱーくでページをめくる。遠くへ行かなくても、耳の向きを変えれば、立川は緑、都市、記憶、休息の順に別の顔を見せてくれた。
この旅の足跡
- 昭和記念公園は立川北駅から徒歩圏にあり、園内には水鳥の池もある。駅前のざわめきが木立の向こうで薄まる瞬間を、歩き始めに選んだ。
- ファーレ立川には36か国92人による109点の作品が街の機能に溶け込んでいる。車止めや換気口まで作品に見え、足音の向きまで変わる気がした。
- たましん美術館は多摩信用金庫本店の1階にあり、10時から18時まで開館している。金融の建物の中で絵を見ると、日常と鑑賞の境目が薄くなる。
- 立川市歴史民俗資料館には、柴崎村絵図や諏訪神社の獅子頭、太鼓胴などが展示されている。音の道具が静かに残っていることに、少し驚いた。
- 資料館の庭には土蔵や井戸が保存され、崖から湧いた水を集めた池と散策路もある。展示室の静けさが、外の水と草の気配に続いていた。
- 立川まんがぱーくは子ども未来センター2階にあり、約400円で漫画を読める。ページをめくる小さな音が、長い散歩の終わりにちょうどよかった。