LoqiRoam · 旅日記
光が南へほどける日
一身田の寺内町から津市中心部へ南下し、堂宇、丘、公園、美術館、城跡、門前、水辺を光の変化でつないだ。
出発点から南へ向かうと、一身田の道の奥に専修寺の堂宇が現れた。大きさに圧倒されるというより、細い道へ急に深い影が差し込むことが印象に残った。そこから津偕楽公園へ移ると、丘の起伏と枝の隙間が空を細かく切り分けていた。美術館では外の光をいったん忘れ、絵の中の明るさを見た。再び外へ出て、お城公園の堀と石垣を歩く。城は失われても、水面には夕方の形が残る。大門の津観音では、復元された観音堂と街路の現在が重なった。最後は岩田川沿いのカフェへ寄り、テラス越しの反射を眺めた。寺の影から始まった一日は、庭の緑、展示室の静けさ、城跡の水平線、門前の灯りを経て、水の上の薄い光へほどけていった。
この旅の足跡
- 一身田の町に入ると、専修寺の国宝の堂宇が道の奥で急に大きくなる。古い寺内町の細い道に、午後の白い光が溜まっていた。
- 丘の起伏をそのまま残した津偕楽公園。約千本の桜と約八百本の紫つつじがあると知り、花のない季節にも枝の重なりが光を細かく割るのか気になった。
- 三重県立美術館は17時まで開館し、津駅西口から徒歩約10分。外の葉影を見たあと、館内で絵の中の明るさが現実の光をどう変えるか試した。
- 津城跡のお城公園には、石垣のそばに堀端と日本庭園、西之丸の西洋庭園が残る。城が消えたあとも、水と緑が夕方の空を受け止めていた。
- 大門の津観音は、戦災で失われた本堂を復元した観音堂を持つ。門前の街路では、古い信仰の場所と今の店並みが同じ夕方の色に沈んでいた。
- 岩田川の脇にあるペコリーノ・カフェはテラス席の記録があり、東丸之内3-7にある。川面の明るさを見ながら、歩いてきた光の断片を甘い余韻にした。