LoqiRoam · 旅日記
明るさの境目を歩く
東吾野から川、神社、吾野宿、古民家をつなぎ、山の光が変わる順に歩いた。
東吾野を出ると、杉林の下に細い光が落ちていた。道はすぐに川へ近づき、橋の上だけ空が広くなる。水面の白さを見たあと、旧道へ折れて我野神社へ向かった。木立の奥にある本殿の彫刻は、外の景色とは違う細かな明るさを持っている。そこから吾野宿へ下ると、軒下の影が連なり、歩く速度も自然に遅くなった。築160年の古民家では、鹿肉ときのこのカレーを思い浮かべながら、梁の暗さと窓の光を眺めた。帰りは高麗川沿いへ戻り、川面と線路に残る午後の光を見送った。遠くへ行ったというより、同じ山の中で明るさの種類が静かに変わった一日だった。
この旅の足跡
- 東吾野の山道は、杉の間から細い光が落ちていた。川の音は近いのに姿が見えず、次の橋まで歩きたくなった。
- 高麗川へ近づく道で、橋の上だけ空が広がった。水面の白さが杉林の緑と急に入れ替わり、歩く速さまで変わった。
- 我野神社の本殿には細かな彫刻があるという。暗い木立の奥で、外の白い光より内側の線が強く見えそうだ。
- 吾野宿には宿場町の面影を残す建物が並ぶ。新しい道の速さから外れると、軒下の影が昔の時間を隠しているように見えた。
- 築160年の古民家を使う吾野宿で、鹿肉ときのこのカレーが提供されている。暗い梁の下で食べる昼は、山の外より温かい。
- 高麗川沿いの散歩道では、川と集落の間に小さな明暗が続く。帰り道の線路に光が差し、旅が静かにほどけた。