LoqiRoam · 旅日記
坂を下りて、潮のほうへ
旧道の坂から資料館、町の食、魚市場を経て、十符ヶ浦の浜へ抜ける野辺地の寄り道旅。
有戸を出ると、まず大きな目的地を目指さず、旧道の鳴子館坂へ向かった。階段を選ぶか、緩い道を選ぶか。その小さな迷いが、旅の速度を決めた。坂を下りた先では、歴史民俗資料館の土偶や赤漆塗木鉢、北前船の資料を見て、野辺地が一枚の観光地ではなく、いくつもの時代が重なった町だと知った。駅前の物産PRセンターで一度休み、行き先を海側へ変更。ファミリー食堂の北前ラーメンで港の歴史を湯気の中に引き寄せ、さらに常夜燈市場で活ホタテや魚介の気配に触れた。最後は十符ヶ浦へ。市場のざわめきが砂浜で薄まり、遠浅の海だけが残った。名所を順番に消化したというより、坂、展示、食事、市場、浜が少しずつ次の曲がり角を選んでくれた旅だった。
この旅の足跡
- 鳴子館坂は旧奥州街道の名残で、階段を選ぶと新道を横切って町へ下りられる。地図より足元の選択が面白く、昔の旅人もこの坂で少し迷ったのだろうか。
- 野辺地の歴史民俗資料館には、立つ土偶「縄文くらら」や赤漆塗木鉢、北前船の資料が並ぶ。小さな町の展示なのに、時間の層が急に厚くなって少し驚いた。
- 野辺地町観光物産PRセンターは売店だけでなく喫茶もあり、レンタサイクルの案内もある。旅の途中で行き先を変えられる余白が残っていて、こういう場所は好きだ。
- ファミリー食堂では野辺地名物の北前ラーメンとホタテづくしの定食を出している。細かな名物の説明を読んだあとに食べると、港町の歴史が急に湯気をまとって近づいてきそうだ。
- のへじ活き活き常夜燈市場では、活ホタテなどの魚介を直売し、北前丼や活ホタテ丼を味わえる。水槽の気配まで含めて、歴史がまだ営業中なのだと思った。
- 十符ヶ浦の海浜公園は遠浅で波が静かな浜。海の家やキャンプ設備は季節営業だが、夏でなくても砂浜に立つと、町の音がふっと薄くなるのが気になった。