LoqiRoam · 旅日記

赤い橋を見上げ、足湯で旅をほどく

峡谷鉄道の入口から橋、ダム、美術館、足湯へ。景色と暮らしを行き来する散歩。

柳橋では、峡谷鉄道の線路が山の奥へ吸い込まれていた。乗り降りの起点というより、ここから先に何があるのかを想像させる細い入口だった。宇奈月へ移ると、駅の売店にはますの寿しや白えびの押しずし、名水の地酒が並び、山の駅なのに海の気配まである。黒部川電気記念館で水が発電や水道につながる話を知り、旧山彦橋へ出ると、新山彦橋を走るトロッコと赤いアーチが重なった。歩く橋と走る橋が並ぶ光景は、過去と現在が同じ谷を使っているようで面白い。さらに宇奈月ダムへ進むと、景色の美しさの裏側に、洪水や暮らしを支える大きな判断が見えてきた。セレネ美術館では、その谷が日本画の色に置き換えられていて、最後は足湯おもかげへ。温泉街の看板を眺めながら足を温めると、旅の終着は名所ではなく、歩いた身体そのものだと思えた。

この旅の足跡

  1. 宇奈月駅の売店にますの寿しや白えびの押しずし、名水の地酒まで並ぶ。山中の駅なのに看板の品揃えが海と山を同時に語っていて、旅の入口から土地の幅に驚いた。
  2. 黒部川電気記念館では、急流の川が水道や発電に使われてきた背景を展示で追える。山の景色を眺めるだけでなく、暮らしを支える見えない流れまで想像できた。
  3. 旧山彦橋と新山彦橋が並び、片方をトロッコが走り、片方を歩ける。赤いアーチの重なりを見ていると、橋は渡る道であると同時に時間の看板にも見えてきた。
  4. 宇奈月ダムは高さ97メートルの重力式コンクリートダムで、洪水調節や水道、発電を担う。谷の静けさの中に巨大な壁が現れ、自然と暮らしの距離を考えさせられた。
  5. セレネ美術館は宇奈月温泉6番地3にあり、黒部峡谷を題材にした日本画展を見られる。ダムの灰色を見た後だからか、谷の色を人がどう記憶するのか気になった。
  6. 宇奈月公園の足湯おもかげは駅から徒歩約5分、あずまやのベンチで峡谷を渡る風を受けられる。最後に足だけ温泉へ入れると、山道の緊張がほどけて看板の文字まで柔らかく見えた。
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