LoqiRoam · 旅日記
色は駅前から、坂と本と庭へ
千石の坂道から巣鴨の商店街、寺、染井の桜、本の展示、旧古河庭園まで、街の色の変化を歩いて集めた。
千石駅を出て、まずは人の少ない坂道へ向かった。道ばたの白い壁、木陰の緑、曲がり角の小さな看板を見ていると、駅前の色は大きな看板だけではないと気づいた。巣鴨地蔵通りに入ると空気が一変し、赤い衣料品、暖簾、和菓子の包みが次々に現れた。高岩寺では水を受けた洗い観音を眺め、にぎわいの奥にある静かな願いに触れた。その後、染井霊園の桜の古木の間で歩く速度を落とし、東洋文庫では街の色が古い紙や本の背表紙にも宿ることを知った。最後の旧古河庭園では、洋館の赤茶、日本庭園の緑、石の灰色が重なった。今日は色を集めたはずなのに、集まったのは景色を急がず見る時間だった。
この旅の足跡
- 坂の途中に神社下へ入る路地があり、千石の住宅地が急に奥行きを持って見えた。白い壁と緑の木陰の境目がきれいで、駅前の色探しが道から始まった。
- 約780メートル続く巣鴨地蔵通りは、和菓子や工芸品の店先に赤い衣料品やのれんが重なる。昔の街道らしさと買い物の元気が同居していて、色の密度に驚いた。
- 高岩寺では洗い観音に水をかけ、悪いところを布で拭う習わしが続いている。赤や金の門前から境内の白い水しぶきへ、色だけでなく願いの形まで変わった。
- 染井霊園には桜の古木が点在し、明治七年に開設された静かな墓地が広がる。商店街の赤から木陰の緑へ急に音が薄れ、桜の色は花がなくても残るのかと考えた。
- 東洋文庫ミュージアムは約100万冊を収蔵し、モリソン書庫の本棚が見どころになっている。街で拾った看板の色が、今度は古い紙と背表紙の色に見えてきた。
- 旧古河庭園は洋館と幾何学的な洋風庭園に、日本庭園の石や水の景色が続く。赤いバラの気配と深い緑、石の灰色が一つの画面にまとまり、旅の終わりにぴったりだった。