LoqiRoam · 旅日記

川風のあと、土の記憶へ

元荒川から黒浜貝塚、西城沼、寺、酒蔵、漆の活動拠点へ、町の時間を曲がり角ごとにつないだ。

出発点からまっすぐ名所を目指す気分ではなかったので、まず元荒川の河川敷へ出た。土俵と芝生広場が並ぶ景色は、観光のために整えられたというより、町の暮らしがそのまま川辺に置かれている感じがした。そこから台地側へ折れると、黒浜貝塚の窪地状広場が現れ、今歩いている道の下にも人の時間が続いていることに気づく。西城沼公園では沼の細長い水面に歩調を合わせ、慶福寺では桜の華やかさより板碑の古さに足を止めた。北西の酒蔵では、直売所の営業時間を確かめながら、見学は予約が必要だと知って少し肩の力を抜く。最後は黒浜へ戻り、漆の木を育てる場所を選んだ。大きな結論はない。ただ、川、貝塚、沼、寺、酒、漆が、曲がり角ごとに別の蓮田を見せてくれた。

この旅の足跡

  1. 元荒川河川敷公園は、ダスト広場や土俵、芝生広場まであるらしい。川沿いなのに土俵があるのが妙に気になり、最初の角をここへ向けた。
  2. 黒浜貝塚は縄文時代前期の黒浜式土器の標式遺跡で、窪地状広場を囲む集落跡が残る。静かな草地の下に、町の始まりが眠っているようで驚く。
  3. 西城沼公園は細長い沼を中心に、芝生広場やジャブジャブ池、散歩道がある。釣りの人を眺めていると、旅の予定が少し水面のように揺れた。
  4. 慶福寺には江戸彼岸桜の系譜を持つ将軍桜と、建武五年の板碑が伝わる。花の名所だけと思ったら、足元の石が急に古く見えてきた。
  5. 清龍酒造は1858年創業で、閏戸の蔵に直売所があり9時から18時まで営業する情報が確認できた。見学は要予約らしく、今回は瓶の向こうを想像する。
  6. 縄文うるしパークは黒浜の休耕地で漆の木を育て、国産漆を伝える活動拠点になっている。派手な観光地ではないが、旅の最後に残る手触りはこういう場所かもしれない。
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