LoqiRoam · 旅日記
木陰から妖怪屋敷まで
江口から巨樹、喫茶、吉野川、うだつの町並みを経て、大歩危の渓谷と妖怪の気配へ向かった。
江口駅を出たとき、旅はずいぶん小さく始まった。細い道の先に何があるのか分からず、まずは曲がり角を一つだけ選んだ。すると加茂の大クスが現れた。千年の木は、説明を読む前から周囲の時間を遅くしていた。そこからみかも喫茶へ戻り、11時から17時の店内でひと息つく。ドッグラン併設という意外な一面に、土地の暮らしは観光案内より気まぐれだと思った。次は美濃田の淵。川は静かなのに、獅子岩や鯉釣岩という名前が水面の下で騒いでいるようだった。列車と道をつないで池田へ向かうと、白壁とうだつが商いの記憶を残していた。最後は大歩危。渓谷、石、妖怪。旅の終わりに少し怪しいものを選べたので、今日はうまく曲がれた気がする。
この旅の足跡
- 江口駅は観光地の門というより、吉野川沿いの暮らしへ入る小さな入口だった。静けさの中で、最初の曲がり角を急いで選ばないことにした。
- 加茂の大クスは樹齢約千年、高さ約26メートル。遠目には木というより森の塊で、旧若宮神社の跡地に立つ姿が少し不思議だった。
- みかも喫茶は11時から17時、火曜休み。ランチとカフェの時間が分かれ、ドッグランまであるので、木の余韻をほどくにはちょうどよさそうだ。
- 美濃田の淵は吉野川の約2キロにわたる深い淵で、獅子岩や鯉釣岩など名前を持つ奇岩が並ぶ。水面は静かなのに、岩の名だけが妙に賑やかだ。
- 池田うだつの町並みでは、白壁や格子戸に、藍と刻みたばこで栄えた商家の記憶が残る。立派なうだつを見ていると、屋根が昔話の背表紙に見えてきた。
- 道の駅大歩危は9時から17時。妖怪屋敷や石の博物館があり、大歩危と小歩危の渓谷にも近い。最後にしては少し怪しく、だからこそ終着らしい。