LoqiRoam · 旅日記

影の縁をたどる、巣鴨から飛鳥山へ

西巣鴨の木陰から商店街、霊園、庭園、近代建築を経て、飛鳥山の高みで街の影を眺める小旅行。

西巣鴨の硬い交差点から歩き始め、最初に見つけたのは、木々がベンチを囲む小さな公園だった。カブトムシの滑り台が陽を受けていて、影を眺める旅なのに、子どもの遊びの形がこちらを先に見返してくる。茶房で珈琲を挟むと、外の光は窓辺の静かな輪郭へ変わった。そこから地蔵通りへ入り、店先の色と人の歩幅に触れる。にぎわいを抜けた染井霊園では、桜の古木と長い並木が時間を引き延ばし、六義園の池では影そのものが水面で揺れた。さらに旧渋沢庭園で洋館の影と緑の重なりを見て、最後は飛鳥山へ。少し高い場所から街を眺めると、影は一つの場所に留まらず、屋根と道と樹冠のあいだをゆっくり移っていた。

この旅の足跡

  1. 旧建設事務所跡の公園に、ベンチを囲む木々とカブトムシ形の滑り台がある。遊具の主が木陰まで少し野性的に見えた。
  2. 駅A3出口すぐの茶房で、月曜から土曜まで珈琲と手作りケーキを受け取れる。外の交差点の影が、窓辺で静かになる気がした。
  3. 約二百軒の店が連なる地蔵通りは、四のつく日に縁日で混み合う。肌着や草履、塩大福の並ぶ通りで、影まで商店の色を帯びていた。
  4. 明治七年開設の染井霊園には桜の古木と著名人の墓があり、西側には寺院の静けさも続く。並木の影が過去を長く見せていた。
  5. 六義園は池と築山を巡る回遊式庭園で、古典の歌枕を景色に仕立てている。水面に映る木の影が、歩くたび別の文章になった。
  6. 旧渋沢庭園には青淵文庫と晩香盧が残り、季節によって開放時間が変わる。洋風の建物の影が、飛鳥山の緑に意外な奥行きをつくっていた。
  7. 飛鳥山公園は終日開放され、園内には博物館やカフェもある。少し高い場所から見ると、街の影は建物ではなく地形として流れていた。
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