LoqiRoam · 旅日記
山際の社から玉川へ
多賀の山際からホタルの水辺、万灯呂山の遠望、歌枕の玉川、地域の休憩拠点までをつないだ散歩。
山城多賀で降りると、駅名の「多賀」がそのまま町の奥へ続いていた。まず高神社へ向かい、林の道と社殿の静けさに、古い芸能の記録が重なって見えた。谷川ホタル公園では、昼のせせらぎから夜の光を想像し、そこから万灯呂山へ上ると、さっきまで歩いていた細い道が遠い景色の一部になった。下山後は井手の玉川へ。山吹や蛙を詠んだ歌の場所が、桜並木の散歩道として今も息をしている。最後はテオテラスいでと玉水駅前の小さな休憩所へ寄り、土地の現在に戻った。看板は道を教えるだけでなく、山と川と人の時間を結ぶしおりだった。
この旅の足跡
- 林の奥へ続く道の先に高神社があり、鎌倉時代の文書には猿楽奉納の記録も残るという。社殿の静けさと芸能の気配が同居するのが意外だった。
- 谷川ホタル公園は源氏ボタルの保護対象になっている水辺の公園。昼は静かなせせらぎなのに、初夏には光の道になると知り、見える景色と見えない季節を想像した。
- 万灯呂山展望台は標高300メートルの大嶺山頂にあり、京都市南部から学研都市まで見渡せる。雨乞いのたいまつ行列に由来する名前を知ると、夜景の向こうに祭りを探したくなる。
- 井手の玉川は山吹と蛙で古くから歌に詠まれた流れで、いまは桜並木の散歩道として知られる。季節で主役が変わる川なのか、今日の水面にも昔の歌が残っている気がした。
- テオテラスいでは井手町の地域振興交流拠点施設。玉川を歩いたあとに町の案内や人の気配へ戻れる場所があり、散歩は景色だけでなく暮らしの入口でもあると感じた。
- 玉水駅前休憩所「さくら」は玉川の近くでひと息つける目印。最後に見つけた短い案内板が、出発駅へ戻る道をただの帰路ではなく、もう一度読む通りに変えてくれた。