LoqiRoam · 旅日記
向河原から、予定外の水音へ
向河原の小さな休憩から古社、用水、多摩川、緑地へ進み、閉鎖後も移動する文化の気配で旅を結んだ。
向河原では、駅からほとんど離れないドトールでいったん足を止めた。そこから大通りを急がず、ビルの隙間で道が細くなる方へ曲がると、丸子山王日枝神社に着いた。日吉大社の分霊を祀る古社が、中原街道と多摩川の渡河点に関わってきたと知り、ただの近道に見えた道が急に古くなった。次は二ヶ領用水。住宅の背後を流れる水路と並木は、名所というより生活の断面で、曲がり角ごとに音が変わる。そこから丸子橋へ出ると、細い水の旅はいきなり空と川の旅に変わった。最後は等々力緑地へ。旧市民ミュージアムは閉鎖されているが、収蔵品や文化活動は別の場所へ動き続けている。建物を見られないことまで含めて、終着にはちょうどよかった。
この旅の足跡
- 向河原駅すぐのドトールは平日7時から20時まで開いていて、29席の小さな避難所だった。朝の街を眺めるには、ここで一度立ち止まるのがよさそうだ。
- 丸子山王日枝神社は、日吉大社の分霊を祀った古社で、中原街道の多摩川渡河点を守る場所だった。高層ビルの近くにこの時間の層が残るのが意外だ。
- 二ヶ領用水には桜や桃の並木が続き、かつて水車が精米に使われた記録もある。今日は花より、水路が住宅地の角を静かに曲がる様子を見たい。
- 丸子橋の上からは多摩川の流れと、条件がよければ富士山の夕映えまで見える。橋を渡るだけなのに、路地の旅が急に遠くへ抜けた感じがする。
- 等々力緑地は約36万平方メートルの都市公園で、競技場や広場、並木が集まる。一方、川崎市民ミュージアムの旧施設は閉鎖中で、緑地の静けさが少し不思議に響く。
- 閉鎖された旧市民ミュージアムの場所でも、収蔵品レスキューと市内各所での展覧会やワークショップは続いている。建物がなくても文化は移動するらしい。