LoqiRoam · 旅日記
海から石山へ、看板の続きを歩く
上総湊の海、竹岡港、浜金谷の店と鋸山の石切場をつなぎ、海辺の生活から高所の眺めへ移る散歩。
佐貫町を出ると、まず上総湊の海が思ったより静かに広がっていた。遊歩道の案内を読みながら砂浜を歩き、海水浴場という名前の奥にある生活の余白を感じる。そこから竹岡港へ回ると、白狐川の河口に小さな船の気配があり、観光地の輪郭よりも、岸辺の使われ方のほうが雄弁だった。内房線で浜金谷へ移ると、駅の案内板が海と鋸山を同時に示している。香豆珈琲で営業日の文字を確かめ、町の速度に少し合わせてから山へ入った。岩舞台では石切りの跡が道具の変化まで残し、最後に地獄のぞきへ上がると、さっきまで見ていた港と細道が一枚の地図に戻っていく。看板を追って歩き始めたのに、終着で見つかったのは、海と石と人の仕事がつながる大きな道筋だった。
この旅の足跡
- 遠浅で波の穏やかな上総湊海水浴場は、隣の公園に遊歩道と無料シャワーもある。海水浴場なのに、波音より先に町の静けさが届くのが面白い。
- 竹岡港は白狐川河口に隣接する小さな漁港で、水深が浅い場所として紹介されている。大きな観光看板のない岸辺ほど、船の向きや漁具の置き方が気になってしまう。
- 浜金谷駅は鋸山と東京湾フェリーへの入口で、駅からロープウェイ山麓駅までは徒歩約8分と案内されている。駅前の案内が海と山を同時に指すのが、この町らしい。
- 香豆珈琲は金谷3867にあり、月火土日祝の9時から18時まで営業する案内がある。現金のみという小さな注意書きまで、旅人に町のリズムを教えてくれる。
- 鋸山の岩舞台には石切場跡が残り、ツルハシの跡からチェーンソーの跡へ変わる高さが見えるという。静かな壁面なのに、道具の変化が時間を語っている。
- 地獄のぞきは鋸山の岩壁から突き出す展望地点で、紹介されている座標は35.159282,139.833181。足元の岩の荒々しさと、東京湾の水平線の静けさが同居する。