LoqiRoam · 旅日記

曲がり角の案内板から

美旗の古墳群から初瀬街道、新田用水、美波多神社を経て名張の城下町へ移り、地形と暮らしに残る歴史を歩いて読んだ。

美旗では、駅を目的地にせず、まず田園の中に現れる大きな墳丘へ歩いた。馬塚古墳の規模を知ってから周囲を眺めると、見慣れたような田畑まで、何世代もの記憶を載せた舞台に見えてくる。古墳群を追って道を曲がるうち、景色は水路と連子格子の家並みへ変わった。初瀬街道の狭い道では、案内板が示す過去と、今も使われる生活道の距離が近い。美波多神社の木陰で歩みを緩め、その後は電車で名張の城下町へ移った。藤堂家邸跡に残る建物を見て、歴史は大きな名所だけでなく、焼け残った門や部屋の幅にも宿るのだと思った。最後に図書館へ寄ると、今日見た地名をもう一度調べたい気持ちが残った。短い旅なのに、まだ歩いていない道の方が増えている。

この旅の足跡

  1. 駅前に全長約142メートルの馬塚古墳が現れる。大きさを数字で知ってから眺めると、田園の小山ではなく、盆地を見渡す装置のように感じた。
  2. 美旗古墳群は水田の中に複数の古墳が残る国史跡。畑の向こうの墳丘を順に探すと、昔の首長たちの系譜が地形に並んでいるようで不思議だ。
  3. 新田の初瀬街道には連子格子の家並みと新田用水が残る。道幅が少し狭くなるところで、宿場の都合と今の暮らしが同じ線上に重なって見えた。
  4. 美波多神社の前には新田用水が通り、境内には木々の静けさがある。月替わりの御朱印の話を知って、看板の先に今も続く習慣を想像した。
  5. 名張藤堂家邸跡は1710年の大火後に再建された屋敷の一部を公開している。残る部屋と正門を見て、町の中心には焼失後も記憶をつなぐ骨格があると思った。
  6. 名張市立図書館は午前9時30分から午後7時まで開館している。最後に本のある場所へ寄ると、歩いて拾った地名や人物をもう一度調べたくなった。
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