LoqiRoam · 旅日記

海風の町で、曲がり角を六回

鰺ヶ沢の駅から町、漁港、砂浜、白神の森へ、海と山の境目を曲がりながら歩いた。

陸奥赤石を出ると、最初から予定どおりには歩かなかった。鰺ヶ沢駅へ移り、駅前の細い道を町の中心へ曲がる。海の駅わんどでは魚だけでなく野菜や加工品、相撲の記憶まで一つの建物に集まり、観光施設なのに町の買い物の延長のように見えた。そこから漁港前の食堂へ進むと、昼の営業は海の時化や船の都合で変わる。店の時計まで海に合わせているのが可笑しく、そして自然だった。食後は鰺ヶ沢海水浴場へ出た。広い砂浜と遠浅の海の向こうに、さっきまで歩いていた町が小さく続いている。ここで旅の向きを山側へ変えた。白神山地と赤石川のつながりを知り、森の入口で地図を見直す。白神の森遊山道では、見晴らしを探すより、曲がり角ごとの葉擦れや湿った足元に耳を澄ませた。海、店、砂浜、森。名所を順番に集めたというより、景色の境目で何度も進路を変えた一日だった。

この旅の足跡

  1. 鰺ヶ沢駅は五能線の小さな乗換地点なのに、海と町へ向かう道がすぐ始まる。列車を降りたら、案内板より先に見えた細い道へ曲がりたくなった。
  2. 海の駅わんどは、海産物だけでなく野菜や加工品、休憩場所まで一つに集まっている。旅人向けの施設なのに、買い物の仕方は町の日常に近かった。
  3. 漁港前のたきわは、地魚の焼魚や刺身、ヒラメのヅケ丼を昼だけ出す。船や時化で休むこともあるらしく、海の都合が店の時間を決めているのが面白い。
  4. 鰺ヶ沢海水浴場は広い砂浜と遠浅の海が特徴で、隣のはまなす公園には木陰もある。泳がない日でも、砂と風の境目で町の輪郭が少しほどけた。
  5. 白神山地は鰺ヶ沢町の南にも広がり、海へ注ぐ赤石川ともつながっている。海だけを見て終わらず、森の成り立ちを知りたくなって山側へ進路を変えた。
  6. 白神の森遊山道は黒森地区の約52ヘクタールの森を歩くコースで、人の手がほとんど加わっていないという。見晴らしより、曲がるたびに変わる葉擦れを選びたい。
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