LoqiRoam · 旅日記
果樹園から、都田の余白へ
果樹園から無人駅、古民家カフェ、寺、商店、神社へ、都田の異なる時間を歩いてつないだ。
果樹園の入口では、160種もの果樹と季節の収穫案内が旅を大きく始めてくれた。そこから木造の都田駅へ歩くと、観光地の華やかさが一度ほどけ、列車を待つ小さな時間に変わる。さらに古民家を改装したカフェへ寄り、北欧家具と庭の緑が並ぶ不思議な都田の表情に出会った。午後は龍洞院の石と木の静けさへ転換し、最後は明治創業の商店、そして須倍神社へ。名所を集めたというより、看板の派手さ、暮らしの文字、読めない余白を順番に拾った散歩だった。帰り道には、最初の果樹園まで続いているような細い道の記憶だけが残った。
この旅の足跡
- 果樹園の入口から歩き始めると、43ヘクタールに果樹約160種が広がる。遊園地のような施設群なのに、木々の間では農園の時間がゆっくり流れていた。
- 木造の無人駅に着くと、ホームの小ささと「都田」という地名の響きが妙に旅情を帯びていた。トイレとバス乗換案内があるのも意外だ。
- 古民家を改装したカフェに、北欧家具や雑貨が並ぶ。庭を眺めるテラス席まであり、都田の農村風景に異国の色が差し込む感じが面白い。
- 龍洞院は都田町4501-1にある季用の菩提寺。門をくぐると、さっきまでの店の色が引き、石と木の気配だけが残る。誰の時間を見守ってきたのだろう。
- 都田町6515番地の須部商店を目指すと、観光施設とは違う生活の看板が見えてくる。明治10年創業という時間が、店先の短い文字に重なって感じられた。
- 須倍神社は都田町6284番地に鎮座する。夕方の参道では、看板を読むというより、読めない余白に耳を澄ますような気分になった。果樹園の明るさも遠くにほどけていく。