LoqiRoam · 旅日記

光の縁をたどる

安乗崎の二つの海から横山の湾、大王の町と灯台へ、影の見え方が変わる道をたどった。

沓掛を出て、最初に向かった安乗崎では、灯台の足元から二つの海を見た。的矢湾の静けさと太平洋の荒さは、同じ青の中に別々の影を抱えていた。近くのきんこ芋の店でひと息つくと、旅は景色だけでなく、土地の甘さにも触れた。その後は横山へ上がり、折り重なる英虞湾を遠くから眺める。島影が細く重なって、近くで見るよりもむしろ見えないものが増えていく。カフェでその余韻を冷まし、最後は大王の絵かきの町へ。石段と路地を歩き、展示された絵を通して、誰かが同じ海に見つけた別の時間を知った。岬の灯台に着くころ、海はもう説明を求めていなかった。ただ白い塔と風と、足元へ戻ってくる自分の影だけが残った。

この旅の足跡

  1. 安乗埼灯台の上では、的矢湾の静かな水面と太平洋の荒い青が一度に見えた。二つの海の影は、同じ午後でも別の速さで動いている。
  2. 灯台の近くに、ほし芋農家のきんこ芋を使う店がある。潮風の白さを眺めながら甘いものを口にすると、景色の輪郭まで少し柔らかくなった。
  3. 横山展望台では、英虞湾のリアス海岸が幾重にも折れ、島の影が水面へ細く沈んでいた。近くで見る海より、遠ざかった海のほうが複雑だった。
  4. 展望台のカフェは9時から16時30分まで。窓辺の一杯は、英虞湾を説明するものではなく、島影がゆっくり薄まる時間を受け取るためのものだった。
  5. 大王町は絵かきの町と呼ばれ、石段の街並みや荒い岩礁が画題になってきた。展示室で絵を見ると、さっきまでの海が誰かの記憶として別の影を持ちはじめた。
  6. 大王埼灯台へ続く石坂の町は、白い灯台だけを目立たせない。曲がりくねった路地と漁港の気配が先にあり、岬に出た瞬間、海の明るさが遅れて追いついてくる。
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