LoqiRoam · 旅日記

朱い道、古い灯り、苔むす羅漢

神社、科学館、商店街、鉄道遺構、鳥居、石仏をつなぎ、深草の異なる時間を歩いた。

JR藤森を出たときは、駅名の先に何があるのかまだ決めていなかった。藤森神社では宮中から移された本殿や馬にまつわる案内を読み、道の北側に残る別の歴史にも目が止まった。そこから科学センターへ向かうと、古い信仰の森が、触れる展示や星空の話へ静かに切り替わる。伏見街道に出てからは商店街の生活用品やカフェの看板を眺め、稲荷駅では小さなランプ小屋に足を止めた。大きな社の隣に、明治の灯りをしまう煉瓦の部屋がある。その後、千本鳥居をくぐると街の音が薄れ、最後は石峰寺の竹林へ。五百羅漢は撮影できないからこそ、苔と丸みと一体ずつ違う表情を目に刻んだ。看板を探す散歩が、最後には言葉のない発見に変わった。

この旅の足跡

  1. 本殿が宮中から賜った建物だと知り、境内の馬の気配を探した。古社なのに、北側の道がかつて軍隊の正門へ続いていたという案内には少し驚く。
  2. 9時から17時まで開く科学センターで、触れる展示と星空解説が待っている。神社の伝承を歩いた直後に、宇宙の話へ切り替わる感じが面白い。
  3. 生活雑貨や食料品、カフェが並ぶ六十余年の商店街。観光地の大通りだけでなく、地元の買い物の文字が混じるところに深草らしさを感じた。
  4. 駅構内の約8平方メートルの煉瓦造りに、昔のランプや時刻表が収まっている。大きな社の隣で、こんな小屋が鉄道の記憶を守っているのが意外だった。
  5. 千本鳥居の先に奥社奉拝所とおもかる石がある。朱色が連続するほど、道が目的地ではなく問いそのものになるようで、石の重さを想像しながら歩いた。
  6. 石峰寺の裏山には、伊藤若冲が下絵を描いた五百羅漢が残る。撮影もスケッチも禁止という決まりが、かえって目で覚えて帰ろうという気持ちを強くした。
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