LoqiRoam · 旅日記

白壁の道、谷の静けさ

駅の休憩所から白壁の町並み、資料館、教会、画廊、翁座へ。建物の変化に残る人の気配をたどった。

上下駅の構内にあるまんまる屋で、軽食と町の案内を眺めてから歩き始めた。駅を出ると、石州街道に沿って白壁、なまこ壁、格子、うだつが現れ、通りは華やかというより音を吸い込むように落ち着いていた。上下歴史文化資料館では、岡田美知代の生家を改築した建物の中で、町の歴史や民話、文学の記憶に触れた。外へ出て上下キリスト教会を見上げると、明治の蔵と見張り櫓の面影が、教会という現在の姿に重なって見えた。上下画廊では骨董やステンドグラスの気配に加え、食事やコーヒーがあることに驚いた。最後に翁座の前で立ち止まり、今は静かな通りに、かつて舞台から流れた声を想像した。名所を急いで集めるより、建物の用途が変わりながら残っていく時間をたどる旅になった。

この旅の足跡

  1. 駅構内のまんまる屋は、観光案内所であり無料休憩所でもある。列車を待つための場所が、町のそばや菓子を知る入口になっているのが少し意外だった。
  2. 石州街道沿いの上下白壁の町並みには、白壁やなまこ壁、格子、うだつが続く。豪華さより、屋根と壁がつくる抑えた陰影に足が止まった。
  3. 上下歴史文化資料館は岡田美知代の生家を改築した建物で、上下の歴史や民話に加え、田山花袋にまつわる部屋も紹介している。家そのものが展示の一部だった。
  4. 上下キリスト教会は、明治の角倉家の蔵を受け継いだ建物で、屋根の塔には見張り櫓の記憶も重なる。教会なのに、商家の時間まで静かに抱えている。
  5. 上下画廊はアンティークレンガの外壁とステンドグラスが目を引き、古伊万里や絵画、ひな人形を扱いながら、コーヒーやカレーも出している。骨董店の時間が食卓にまで続いていた。
  6. 翁座は上下町上下2077に残る歴史的な劇場で、現在もイベントの会場として案内されている。閉じた舞台を想像すると、白壁の通りにかつての声が戻ってくる。
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