LoqiRoam · 旅日記
石垣の町で、湖の方角を思い出す
穴太から坂本の石垣、社寺、庭園、老舗そば、琵琶湖岸へ、曲がり角の気分で歩いた旅。
穴太を出ると、最初から目的地を決めていたわけではなかった。坂本へ近づくにつれて石垣が道を細く見せ、その細さに従って曲がるうち、町の背後に山の湿り気が現れた。日吉大社では杉と水音に歩調を合わせ、滋賀院門跡では白壁と庭の格式に足を止めた。旧竹林院では、清流と借景の山が庭の中へ静かに入り込んでいた。寺社を続けて見たあと、本家鶴喜そばで昼を挟むと、旅は急に生活の温度へ戻る。最後は坂本城址公園へ抜け、湖中に隠れる石垣を想像した。名所を一直線につないだというより、道が何度か気分を変えてくれた旅だった。
この旅の足跡
- 坂本の古い石垣は、道を少しだけ細く見せる。曲がるたびに里坊や低い屋根が現れ、門前町なのに暮らしの気配も残っている。最初の角で、もう予定を変えたくなった。
- 日吉大社は約46万平方メートルの境内に国宝と重要文化財が点在し、水音まで聞こえる。大きな社なのに、杉の陰では道端の小さな気配ばかり気になった。
- 滋賀院門跡は高い穴太衆積みの石垣と白壁に囲まれ、庭には池と大きな石橋がある。門前で立つと、静けさにも身分の高さのようなものがある気がした。
- 旧竹林院には約3300平方メートルの庭園と茶室、四阿があり、大宮川の清流と八王子山を借景にしている。座卓への反射を試せると知り、庭は見るだけではないらしい。
- 本家鶴喜そばは1716年創業で、坂本の町に古い店構えを残している。寺社を続けて見たあとにそばをすすると、旅が急に生活の温度へ戻るのが面白い。
- 坂本城址公園は琵琶湖岸にあり、明智光秀像と城跡の碑が残る。水城だった城の石垣は普段は湖中に隠れるそうで、見えない遺構の方が想像を刺激した。