LoqiRoam · 旅日記
湯けむりから火口湖へ、曲がり角の旅
温泉の滝、高原の池、火口湖、神宮、足湯をつないで、霧島の水と火と祈りを味わう旅。
霧島温泉を出たときは、近くの道をひとつ曲がるくらいのつもりだった。けれど丸尾滝で、温泉の気配が白い水となって落ちているのを知り、もう少し先へ行きたくなった。えびの高原では池めぐりの水面が火山の静けさを映し、韓国岳の登山口では空気の薄さに背中を押された。大浪池へ視線を戻すと、同じ山域が荒々しさと青緑の静けさを同時に持っている。霧島神宮の杉と朱色の間では、旅の重心が景色から祈りへ静かに変わった。最後は霧島温泉市場の足湯と黒豚の匂いに捕まり、結局、最初の湯へ戻ってきた。計画していたのは路地の旅だったのに、山そのものに遠回りを選ばされたらしい。
この旅の足跡
- 丸尾滝は温泉水が混じる白い流れで、普通の滝より硫黄の気配が濃い。湯けむりの町を出たのに、滝の中へ温泉が続いていたのが意外だった。
- えびの高原の池めぐりは、火口湖をつなぐ道。池ごとに水の色と周囲の植生が変わり、風が止まると山の気配だけが水面に残る。
- 韓国岳登山口では、標高の変化で空気が急に薄く感じられる。山頂へ急がなくても、火口の向こうへ視線が引っぱられ、道の先が大きくなった。
- 大浪池は火口に青緑の水を抱え、縁へ近づくほど湖が大きく見える。静かな景色なのに、風が入ると名前どおり水面がざわめいた。
- 霧島神宮の朱色は杉の深い緑に沈み、参道へ入ると周囲の音が薄くなった。観光の景色から、誰かの願いが積もる場所へ歩調が変わる。
- 霧島温泉市場では、足湯のそばに黒豚や地元菓子が並ぶ。座った途端、旅の計画が食べる順番へ変わった。遠回りの終点としては、かなり納得できる。