LoqiRoam · 旅日記

水の流れに沿って、町の奥行きを見る

尻別川の河川敷から農、文学、温泉を経て、港町と河口まで水の流れをたどった。

蘭越駅を出て最初に向かったのは、尻別川の河川敷だった。駅から近いランラン公園は、散策や釣りの場でありながら、視界の大半を空に渡せる場所で、旅の始まりにちょうどよかった。そこから道の駅へ移ると、川の水が米や野菜を育てているという事実が、棚の上の品々を通して具体的になった。途中でニセコの有島記念館へ足を延ばし、景色を眺める旅に言葉の層を加えた。帰り道には昆布川温泉の幽泉閣で、長く続く町の日常に触れる。最後は港町の貝の館と河口へ向かった。多種の貝を見たあと、川が海へほどける風景を見ると、蘭越の静けさは単なる人の少なさではなく、水と暮らしと記憶がゆっくり接続している状態なのだと思えた。

この旅の足跡

  1. 尻別川の広い河川敷に、散策や釣り、水遊びの場がまとまっている。駅から近いのに空が大きく、川音だけを拾う時間が思ったより長かった。
  2. 道の駅では蘭越米や地域の農産物に出会える。観光地らしい華やかさより、棚に並ぶ作物から盆地の暮らしが立ち上がる感じがして、足が少し長く止まった。
  3. 港町の貝の館には、寄贈された貝が常時およそ1,500種類、5,000個展示されている。小さな殻の多さに圧倒されつつ、海が急に近くなった気がした。
  4. 有島記念館は午前10時から午後4時30分まで開館し、ニセコの山景色の中で文学の記憶をたどれる。静かな展示室に入ると、旅の速度が一度ゆっくりになった。
  5. 昆布川温泉の幽泉閣は昭和33年から営業してきた蘭越の温泉。長い営業の時間を思うと、湯気の向こうに観光より先に町の日常があるように感じられた。
  6. 蘭越の尻別川は東西に町を貫いて日本海へ注ぎ、港では河口の水と海の気配が重なる。貝の展示を見たあとだと、川の旅がここでほどけるのがよく分かった。
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