LoqiRoam · 旅日記

水と麹と、土の下の寺院

竹田川、竹田六社、酒蔵とカフェ、三ッ塚廃寺跡をつなぎ、現在の暮らしと古代の記憶を歩いて重ねた。

丹波竹田駅を出ると、まず竹田川の方へ歩いた。駅名から大きな観光地を探し始めそうになるけれど、ここでは水面と田園の静けさが先に旅を整えてくれる。中竹田では竹田六社のつながりを知り、ひとつの神社だけでは見えない地域の祭りの道筋に出会った。その近くで、西山酒造場とcome café hanaを調べる。1849年創業の酒蔵と、麹甘酒や米粉を使うカフェが同じ土地にあるのが面白く、歩きの途中に味覚の寄り道を置いた。午後は竹田川をたどって上田へ向かい、三ッ塚廃寺跡へ。畑の向こうの丘に、かつて塔と金堂が並んでいた。隣の資料館で瓦や鴟尾を見たとき、見えない寺院が小さな破片から立ち上がった。帰りは駅へ戻るだけなのに、水、麹、土の下の寺院という三つの発見が、同じ町を別の角度から見せてくれた。

この旅の足跡

  1. 丹波竹田駅の周りは、観光地の入口というより田園へ開く小さな玄関だった。列車を降りてすぐ城跡を探すより、まず平らな土地の広がりを眺めると、この町の穏やかな輪郭が見えてきた。
  2. 竹田川の右岸にある三ッ塚廃寺跡は、白鳳時代の寺院跡。三つの基壇が塔と金堂だったと知ると、畑の向こうの静かな丘が急に立体的になる。花の季節でなくても、土の下の配置を想像できる場所だ。
  3. 三ッ塚廃寺跡に隣接する市島民俗資料館では、瓦や鴟尾、梶原遺跡の出土品を見られる。屋外の基壇を見たあとに小さな展示室へ入ると、消えた建物の輪郭が手のひらサイズで戻ってくる。
  4. 中竹田の竹田六社は、上加茂・中加茂・一宮など六つの神社を地域の祭礼で結ぶ。中加茂神社の境内に立つと、単独の名所ではなく、集落同士をつなぐ季節の道筋が見えてくる。
  5. 西山酒造場は1849年創業で、小鼓を醸す酒蔵。併設のcome café hanaでは、米粉や有機野菜、麹甘酒を使った食事を調べられた。古い酒造りと軽やかなカフェの組み合わせが、丹波らしい意外な曲線だった。
  6. 竹田川沿いを歩くと、観光案内より先に水面、農地、低い丘の順で景色がほどける。駅から近いのに、歩幅を少し落とすだけで町の生活側へ入った感じがする。川は名所ではなく、旅の余白そのものだった。
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