LoqiRoam · 旅日記
看板の角から水の道へ
佐古の近代水道建築から徳島城跡、博物館、水際公園、東新町商店街、阿波おどり会館へ。看板と小道を手がかりに、街の歴史と現在を歩いた。
佐古を出ると、最初に見つけたのは観光用の大きな案内ではなく、住宅街の奥に残る赤レンガの水道施設だった。大正期のポンプ場は、道の先で突然ひらく小さな洋館のように見えた。そこから徳島城跡へ向かい、青みを帯びた石垣と水堀を眺める。城は建物よりも、石と坂と木立の組み合わせとして残っているらしい。博物館と庭園で藩の文化に触れたあとは、新町川の水際へ下りた。階段テラスの先を流れる川が、街の中にもう一つの道を作っている。最後は東新町商店街で、店ごとに違う文字の大きさや色を追い、阿波おどり会館の前で足を止めた。歩く前にはただの地名に見えた場所が、建物、川、看板、音の順に立体になっていった。
この旅の足跡
- 赤レンガのイギリス積みと上げ下げ窓を持つ大正15年のポンプ場が、住宅街の奥に残る。水道施設なのに洋館のようで、歩いていて急に時代が変わった。
- 徳島城跡の石垣には、少し青みを帯びた阿波青石が使われている。水堀と木立の間を歩くと、城が大きな建物ではなく地形として残っているのが面白い。
- 徳島城博物館では蜂須賀家と徳島藩の資料を見られ、隣には国の名勝の旧徳島城表御殿庭園がある。展示のあと庭の線を追うと、文字だけでない歴史が残った。
- 新町川・阿波製紙水際公園は階段テラスやシェルター、木々が川沿いに重なり、昼と夜で表情が変わる。水面を見ていると、街の道にもう一本の流れがあると気づく。
- 東新町商店街は眉山を望む川辺の商店街で、徳島駅から徒歩圏にある。アーケードの看板は店ごとに声色が違い、同じ通りなのに小道が連続して見える。
- 阿波おどり会館では、年間を通して阿波おどりの公演や展示に触れられる。通りの看板を眺めていた耳に、踊りのリズムを想像させる名前が急に立体的に響いた。