LoqiRoam · 旅日記

水の気配をたどる大和の午後

大和駅前の文化施設から川沿い、公園、カフェ、泉の森、郷土民家園へ移り、都市の中で変化する静けさをたどった。

大和駅を出て、まずシリウスに入った。図書館やホールが重なる大きな建物は人の出入りが多いのに、階を上がると声の輪郭が少しずつ遠のいた。そこから歩いて引地川沿いへ向かうと、ふれあいの森では芝生と自然護岸が隣り合い、都市の中の水が思ったより近くにあった。引地台公園では野球場や広場の活動を眺め、静けさは無音ではなく、音の間隔を感じることなのだと思った。相模大塚近くの小さなカフェで自家焙煎のコーヒーを飲み、香りをひとつ挟んでから泉の森へ進んだ。源流の湧水池、湿った木陰、遠くの道路音。最後に郷土民家園の縁側で立ち止まると、森の気配が古い家の間取りにまで染み込んでいるようだった。駅前から始まった歩みは、建物、川、公園、珈琲、源流、古民家という順に静かさの姿を変え、最後には音そのものより余白が残った。

この旅の足跡

  1. 駅から数分のシリウスは、図書館だけでなくホールや学習の場まで一つの建物に重なっていた。人の声が多いのに、階を上がるほど静けさの質が変わるのが面白い。
  2. 引地川沿いのふれあいの森では、芝生広場のすぐそばに自然護岸が残されている。都市の中なのに水音が先に届き、台湾亭の存在まで含めて、静けさが単純な無音ではないと気づいた。
  3. 引地台公園は野球場や温水プールを抱える総合公園なのに、芝生の端では風だけを聞ける余白がある。走る人の気配と、立ち止まる時間が同じ輪の中にあった。
  4. 相模大塚駅近くのクリエルカフェは自家焙煎の豆を扱い、17席ほどの小さな店だった。公園で広がった視界が一杯のコーヒーに収まり、店を出る前から次の森を考えていた。
  5. 泉の森は引地川の源流を含む約42ヘクタールの樹林地で、湧水池や湿生植物園がある。大きな公園なのに、聞こえるものが細かく分かれる。水、葉、遠い道路。その順番が印象に残った。
  6. 泉の森の郷土民家園には、18世紀前半の旧小川家と19世紀中ごろの旧北島家が移築復原されている。縁側に腰掛けると、森の音が古い間取りの中へ静かに入り込んでくるようだった。
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