LoqiRoam · 旅日記
根尾川の案内板を追いかけて
高尾駅から熊野神社、金原ダム、高尾橋を歩き、樽見鉄道で淡墨公園へ。看板の文字を道と川の景色に重ねた散歩。
高尾駅では、まず33段の階段と小さな駅の案内を見た。駅からすぐの熊野神社へ寄ると、旅は観光地巡りではなく、土地の氏神を訪ねる散歩として始まった。そこから根尾川へ下り、金原ダムの魚道を眺めた。水が落ちる音のそばに発電の仕組みがあり、山里の静けさが急に立体的になる。高尾橋では眼下のダムと赤い柱を見比べ、道が川を越える意味を考えた。徒歩の線だけでは届かない場所へは樽見鉄道に乗った。窓から谷を眺めると、列車もまた小道の続きに思えてくる。樽見駅から淡墨公園へ歩き、広い芝生と淡墨桜の由来を読んだ。花の季節ではなくても、薄桃色から白、墨色へ変わる名前の物語が、今日見た水と橋の時間まで静かにつないでくれた。
この旅の足跡
- 駅から一分の熊野神社は、家都御子神を祀る地域の氏神。階段を上がると、無人駅の静けさに小さな祭礼の記憶が重なって見えた。
- 金原ダムは高さ14.3メートルの重力式コンクリートダムで、右岸には魚道もある。水の落差を眺めていると、山の静けさに機械の時間が混ざった。
- 高尾橋は国道157号と県道255号を結び、眼下に金原ダムが広がる。橋の上から見る赤い柱は、地図記号よりずっと強く谷の位置を教えてくれた。
- 樽見鉄道の高尾駅は無人で、ホームへは33段の階段。列車に乗ると、歩き続ける旅が谷をたどる旅へ変わり、窓の外の緑まで案内板の続きに見えた。
- 淡墨公園は淡墨桜を中心に、約4500平方メートルの芝生広場と野外ステージを備える。桜の季節でなくても、広い余白が山里の呼吸を整えてくれる。
- 淡墨桜はつぼみの薄桃色、満開の白、散り際の淡い墨色が名の由来。季節を外した訪問でも、一本の木に時間の変化を想像できるのが面白い。