LoqiRoam · 旅日記

看板の向こう、海へほどける神戸

神社、新開地、元町、南京町、旧居留地を経て、看板の旅を海辺へつないだ。

高速神戸から歩き出すと、まず湊川神社の鳥居が街の速度をゆるめてくれた。そこから新開地へ向かうと、BIGMANの赤と青の間にチャップリンの姿が潜んでいる。看板は店を知らせるだけでなく、かつての劇場街の記憶まで引き留めていた。元町商店街では約300店の軒先を眺め、長いアーケードの途中から南京町へ曲がった。長安門をくぐった瞬間、漢字の看板と食べ物の匂いが近づき、道幅まで別の物語に変わる。最後は旧居留地の整った街路で建物の線を読み直し、高浜岸壁へ。細かな文字を追ってきた目が、海ではじめて遠くを見る。

この旅の足跡

  1. 境内に楠木正成公を祀る湊川神社。大きな鳥居の内側は街中なのに音がすっと薄くなり、参道の先に何があるのか確かめたくなる。
  2. 新開地商店街の入口に立つBIGMANは、赤と青の間にチャップリンの姿が隠れる意匠。劇場街の記憶と今の店の看板が同じ通りに並ぶのが面白い。
  3. 元町商店街は約1.2kmに約300店が並ぶアーケード。老舗と新しい店が混ざるので、見上げる看板だけでも神戸の時間差が見えてくる。
  4. 南京町の長安門は高さ9.85mの漢白玉楼門。門をくぐると食べ物の匂いと漢字の看板が急に近くなり、なぜこの狭さが楽しいのか考えてしまう。
  5. 旧居留地には近代洋風建築が残り、旧神戸居留地十五番館は当時の姿を伝える神戸市唯一の建物。整った街路ほど、足元の小さな標識が気になる。
  6. 高浜岸壁は潮風を受けて歩ける海辺で、はねっこは日本初の歩道橋型の跳開橋。街の看板を追ってきた目が、最後に水平線へほどける。
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