LoqiRoam · 旅日記

曲がり角の先で、山と銅の記憶に出会う

木造駅舎から古社、竹林の展望、採掘祭祀跡、田園カフェを経て香春神社へ。歩きと公共交通を混ぜた、山と暮らしの遠回り。

採銅所駅では、列車より先に古い木造駅舎の時間へ入った。線路の脇をそのまま進むつもりだったが、坂の向こうに古宮八幡神社があると知り、最初の曲がり角で予定を変えた。杉の葉の御神輿を思いながら参道を抜けると、道は竹林へ向かっていた。矢山の丘は「丘」という名前に油断していた私をきちんと息切れさせ、山頂では採銅所と香春岳が思ったより近く見えた。下り道で神間歩公園に立ち寄ると、鉱物を掘った場所に祭壇だけが残るという話が、急に地面の色を変えた。そこで旅を終えてもよかったが、田園のHANで自家焙煎の香りと米粉の甘さに寄り道した。最後は列車で香春側へ移動し、香春神社の山王石を見上げた。最短ではない。でも、曲がった回数だけ、土地の古さと今の暮らしが交互に見えてきた。

この旅の足跡

  1. 線路を挟む桜の名所として知られる大正モダンの木造駅舎。列車を待つだけの場所なのに、花の季節を想像すると出発前から少し寄り道したくなる。
  2. 駅から坂を下った先にある古宮八幡神社。香春岳の神を祀り、杉の葉の御神輿で知られる場所だという。線路のすぐそばに古い信仰が残る近さに驚いた。
  3. 矢山の丘へ続く道は、竹林と雑木林を抜けて標高303.5メートルまで上がる。山頂から採銅所や香春岳を見渡せるらしく、丘と呼ぶには少し本気の登りだ。
  4. 神間歩公園の「間歩」は鉱物を掘った坑道を指し、奥には採掘前の祭祀に関わる祭壇だけが残る。銅の地名が、観光説明より先に地面から立ち上がってくる。
  5. 採銅所4047-4のHANは10時から18時、定休日は水曜と木曜。自家焙煎珈琲と米粉スイーツを出す田園の店で、山を下りた後の休憩先として妙に頼もしい。
  6. 香春神社は一ノ岳の麓にあり、新羅の神を祀る古社。山王石と呼ばれる大石や桜でも知られるそうで、採銅所から少し移動してでも見たくなる山の終着点だ。
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