LoqiRoam · 旅日記
森の看板を抜けて、干潟の空へ
藤崎の森と古民家から実籾を経て、谷津干潟の水鳥と広い空へ向かった散歩。
習志野の出発点では、まず南へ向かう道の看板を手がかりにした。藤崎森林公園に入ると、池の水面と木立の隙間に汽車が現れ、住宅地の輪郭が少しずつ薄くなる。そこから旧大沢家住宅へ進むと、1664年築の茅葺き屋根と土間の民具が、歩いてきた時間を別の尺度に変えてくれた。次は実籾へ移動し、旧鴇田家住宅と公園の植栽を巡った。同じ古民家でも曲屋の姿は違い、周囲の桜や木々まで建物の一部に見えた。最後は谷津干潟へ。約3.5キロの観察路と広い水面の向こうに、街の看板ではなく渡り鳥の季節が見える。森の小道から始まった散歩が、干潟の空へ静かにほどけていった。
この旅の足跡
- 池のほとりにベンチがあり、木々の間から古い汽車の姿まで見える。住宅地の中なのに、看板の先だけ森へ落ちていく感じがして、次の道を覗き込みたくなった。
- 茅葺きの平屋は1664年築で、土間には民具が並び、午前中にはかまどに火を焚くこともあるという。新しい屋根の白さと、家が背負う350年超の時間の差に驚いた。
- 実籾本郷公園の奥には、1727〜1728年ごろの曲屋形式の旧家が移築復原されている。駅からの道の途中で、現代の住宅と江戸の間取りが急に並ぶのが面白い。
- 旧鴇田家住宅の周囲では、桜やボタン、ツツジ、イロハモミジなど季節ごとの景色が見られる。建物を見終えたあとも、庭の色が案内板の続きを語っているようだった。
- 谷津干潟は東京湾の最奥部に残る約40ヘクタールの干潟で、観察路は一周約3.5キロ。街中から来たのに、案内板の向こうでシギやチドリの渡りの時間が流れていた。
- 観察センターは9時から17時まで開き、館内から干潟を一望できる。レンジャーが常駐して観察を案内してくれるので、遠くの鳥影をただ眺めるだけで終わらないのが心強い。