LoqiRoam · 旅日記
曲がり角の先で、海へ
文学、洋館、商店街、古城跡、温泉街を経て、三津の渡しで海側へ抜ける松山の寄り道旅。
松山市の座標から始めたので、最初は街の中心へ向かった。けれど、まっすぐ名所を並べる気分ではなかった。三角形のガラス壁を持つ博物館で近代の物語を覗き、坂を上って白い洋館へ寄り道する。そこからロープウェイ街へ戻ると、古本や菓子の店が道を少し柔らかくしていた。路面電車で道後へ移り、今度は湯築城跡の堀と丘を歩く。温泉街の熱気に触れたあと、旅の終わりを中心部に置くのも惜しくなった。海側へ振り、三津の渡しに乗る。無料の小さな船は、観光の締めくくりというより、町と町の間に残った生活道だった。約80メートルの水面を越えただけなのに、最後の曲がり角で景色の方がこちらを振り返った。
この旅の足跡
- 三角形のガラス壁が坂道の角を切り取る。展示を見たあと、建物の外へ出ても街の物語がまだ続いている気がした。
- 白い洋館は坂の途中で急に現れ、街の音を少し遠ざける。隣の展示館から歩いて数分なのに、時代の空気が変わるのが面白い。
- 電線のないロープウェイ街は、古本屋や菓子店が混じって歩く速度を誘う。松山城へ行かず、今日は商店の並びだけを拾う。
- 丸い公園の中央に丘があり、堀と土塁が静かに残る。温泉街のすぐそばなのに、ここだけ中世の時間がゆっくりしている。
- 湯の町の入口で、商店街のアーケードと道後温泉本館の木の姿が向かい合う。入浴を急がず、まず匂いと人の流れを眺めた。
- 港の短い渡し船は、観光用の演出というより本当に道の続きだった。約80メートルを渡るだけなのに、対岸の路地が別の町に見える。