LoqiRoam · 旅日記

音の薄い方角へ

図書館から都市公園、河川敷、社寺、黒川の里山へ移り、最後に駅近くの食事で旅を閉じた。

川西能勢口を出て、まず図書館に入った。駅前の人の流れをすぐに振り切るのではなく、本棚の間で街の速度を落としてから歩き始めたかった。北へ向かうと、キセラ川西せせらぎ公園の芝生と細い水路が現れた。新しく整えられた場所なのに、水音は思ったより控えめで、聞こうとした時だけ届いた。さらに猪名川の河川敷へ出ると、管理された水路とは違う広い流れが視界をほどいた。そこから電車で多田へ移り、国史跡の多田神社では社殿よりも、木立の中に沈んだ足音が印象に残った。最後は北の黒川へ。廃校を活用した里山センターと台場クヌギの林を見て、静けさは何もない状態ではなく、長く手を入れ続けた結果なのだと思った。帰りは駅近くのカフェで食事をして、街の明かりの中に戻った。出発点へ戻っても、耳だけはまだ里山側を向いていた。

この旅の足跡

  1. 駅前の喧騒から数分しか離れていないのに、図書館の棚の前では時間の進み方が変わった。外へ出る前に、街の静けさを本の厚みで測ってみたくなった。
  2. キセラ川西せせらぎ公園には芝生やジョギングコースだけでなく、細いせせらぎ水路がある。新しい公園なのに、耳を澄ますと子どもの声より水音を先に拾えたのが意外だった。
  3. 猪名川の河川敷では、整えられた公園の水路とは違う幅のある流れが見える。街のすぐそばなのに視界が横へ開き、歩く速度だけが急にゆっくりになった。
  4. 多田神社は国史跡で、参拝は朝6時から夕方5時まで。社殿の由緒を知ってから境内に立つと、観光地というより長い時間が沈殿した森として感じられ、足音まで控えめになった。
  5. 黒川里山センターは廃校を活用した施設で、日本一の里山と呼ばれる地域にある。校舎の気配と台場クヌギの林が重なり、静けさが単なる無音ではなく手入れの結果だと気づいた。
  6. 駅へ戻る途中、Bistro Cafe Tetsuya+Mia madreは川西能勢口から徒歩5分で、昼と夜で表情が変わる店だと確認した。静けさを探した一日の最後に、焼き菓子の時間まで残る店があるのがよかった。
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